不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「……幼馴染み!?そうなの!?」
そうそう。と、悠里は微笑んだ。
悠里と悠太くんが、昔からの幼馴染みだったなんて。
なんだか、意外だったから…こんなに驚いてるんだと思う。
「悠太くんとはね、小学生まではずっと一緒にいて、仲が良かったよ。」
「今は……?
なんだか、2人が幼馴染みって、しっくりこなくて…」
意外だと思ったのも、わたしと颯真のような関係が、悠里と悠太くんの関係に重ならなかったから。
無駄口言い合って…笑い合う。
そんな関係が、2人には見えなかったからだ。
教室でも、あまり2人で話してる姿は見かけない。
ただのクラスメイトのような、そんな関係。
「中学の頃もね、あたしと悠太くん、仲が良くて。一緒に帰ったりしてたよ?
でも、クラスの子達に冷やかされるようになって。
それからかな?
あたしと悠太くんとの距離は、遠くなった。」
終わった!と言って、悠里はホッチキスを置く。
それから背伸びをひとつすると、わたしの方へ振り返った。
「だから、明里と颯真が幼馴染みって聞いたとき……
なんだか羨ましかったなぁ。
あたし達とは違う、こんな幼馴染みの形があるんだなって。
だから……思わず聞いちゃったの。」
「え…なにをーー」
「颯真とは、ただの幼馴染みなんだよね?……って。」