不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
ーードクン。と、心臓が嫌な音を響かせる。
「明里がね、颯真君を好きなんじゃないかって思うくらい……二人の仲は良くて、距離が近かったから。」
本心を言えないモヤモヤと、悠里に嘘をついてる罪悪感。
それは、わたしの中でチクチクとした痛みとなって。
「だから、明里がただの幼馴染みだって聞いたとき……ほっとしたの。
あたしだって、諦められるほど簡単な気持ちじゃない。
だけど……友達とライバルなんて、絶対に嫌だったから。
あたし、明里とは何のわだかまりなく、仲良くいたかったから!」
悠里はにこっと笑う。
そのまま、プリントを重ねて、後片付けまでしてくれる。
「明里には、応援してほしいな!
誰よりも颯真くんのこと知ってるでしょ?
また相談乗ってね!」
「……うん。」
言えないよ。
今さらーー
わたしを言葉を信用しきってる悠里に、自分の気持ちなんて。
ここで自分の気持ちを暴露できるほど、自分に自信なんてないしーー
なにより、悠里にどう思われるかが、怖かったんだ。