不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~



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颯真とは幼稚園からの幼なじみ。



「明里ちゃん!!
ちょっと待ってよ。

僕、そんなとこ登れない…」



「颯君は本当いくじなし!
先にいっちゃうからね!」



「えっ…ちょっと待って!明里ちゃん!!」




幼い頃のわたし達は、よく一緒に遊んでた。



だけど、あの頃の颯真は弱虫で、泣き虫で。
いつもわたしの後ろをついてくるような、
弱い男の子だった。



颯真をいじめるガキ大将みたいな男の子を、
わたしが泣かしたこともある。



いつも颯真がわたしを頼って。
いつもわたしの後ろに隠れてる。


そんな関係が嫌いじゃなくて、
子ども心なりに、わたしは颯真と遊んでいたかった。



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