不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「おう。
もう暗いし、気を付けて帰れよー。
お前を襲うようなやつは……
返り討ちだな同情するわ。」
「…………
うるさい…ばか…」
「……?
明ーー」
颯真の言葉を聞き終える前に、
わたしはバタン!!
と、教室のドアを閉めた。
きっと、いつものように言い返さないわたしを、不振に思ったんだと思う。
きっとーー
悠里なら送るんでしょう?
気にかけてほしいよ。
颯真の隣にいたいよ。
そう思っても、どうしようもないけれど。
窓の外は、どんよりとした分厚い雲。
もうすぐ……
梅雨がくる。