不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
「だから言ったじゃん」
ーーーーー…………
「えぇ…!?」
昼休み。
第一声に、佐奈は大きな声を上げた。
卵焼きをお箸でつかんだまま、わたしの顔を凝視する。
「だから……
わたしの考え方が、間違ってたのかなって。
いくらわたしが今の関係を壊したくなくても……
颯真に大切な人ができたら、わたしの居場所は変わっちゃうのにね。」
そう。数日前に悠里と話してて気づいたこと。
その結果、わたしが身動きをとれなくなってること。
全て佐奈に話した。
幸い、今悠里は担任に雑用を頼まれてこの場にはいないから。
「……………」
「…………?
佐奈?」
なにも話さない佐奈を疑問に思って顔を向けると、
佐奈はいつの間にか卵焼きを両頬にほおばりながら
わたしを見ていた。
……じとーっとした目付きをわたしに向けながら。
「なんでわたしが大きな声出して
驚いたかわかる?」
「や、わかんないけど……」
そこで1つため息をつくと、
佐奈はまた一段と大きな声を出した。
「もう!明里は気付くのが遅すぎ!!」