不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
屋上から見下ろせる中庭には、次の移動教室の教科書を持った、悠里と颯真の姿。
もう付き合ってるんじゃないのって思えるほどの雰囲気を、2人は持っていた。
ずっしりと重い石が胸にのっかかってるみたいでーー
痛くて。
わたしは2人に背中を向けるように、フェンスにもたれかかった。
「どうするの?明里。」
いつの間にかわたしの足元に座りこんだ佐奈。
「どうするって……」
どうしたいのかわからない。
……ううん。どうすればいいのかわからない。
「がんばるの?諦めるの?」