不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
だけど、大きくなるにつれ、そんな関係がずっと続くはずかない。
「颯真!
お前サッカー部のレギュラーなったんだって?
すげえじゃん!」
「ははっ。
まぐれまぐれ!」
中学になって始めたサッカー部で、颯真はレギュラーをとった。同時に、通い始めた塾の影響か、成績もどんどん上位に上りつめてく。
身長も高くなって、私服も男っぽくなって。
「ねえ。暮野君ってかっこよくない?」
「暮野って颯真君のこと?
うんうん!わかるわかる!
彼氏にできたら自慢だよねー!」
颯真はすっかり女子達の人気者。
それに比べわたしは……
スポーツも勉強も人並み。
ルックスだって良く言って中の下。
だから、颯真に抱き始めたのは、
今までに感じたことがない、劣等感だった。