不器用恋愛~好きな人は幼なじみ~
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あれから、悠太くんは颯真にやっぱりCDを取りに来いと呼び出された。
わたしを家まで送ってくれた後、悠太くんは困ったように笑って颯真の家に向かった。
「夏祭りの約束、忘れんなよ。」
そう言い残して。
「はぁーー……」
意味もなく、携帯をベッドの上で操作する。
「これで…よかったんだよね…?」
"頑張るの?諦めるの?"
学校の屋上で、佐奈にそう聞かれたときーー
その時は、はっきりとした答えを出せなかった。
だけどーー
現実じみた今日の悠太くんの言葉を聞いたとき、
もう"諦める"ほうにわたしの気持ちは傾いてた。
と、いうよりーー
「もう、想い続けることに疲れちゃったよ……」
携帯を触っていると、課外キャンプの時に撮った写真が出てきて。
颯真と写ってる写真を見ていたら、また涙が溢れそうで、わたしは顔の前で腕をくんで目を伏せた。
ーーピンポーン…
そんな時、聞こえてきたのはチャイムの音。
と、同時に。
「明里ー!
手が空いてないから出て!」
そんなお母さんの声が部屋まで届いた。