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「こっちは否応なく産み落とされたんだ。ただ漠然と、堂々と、ずうずうしく、息を吸って、吐いて、生きていけばいい」
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疎外感、寂寥感、それらごと存在を抱きしめてくれるのに、自分の血を恐れて、手を差し伸べながら逃げてゆくようなヒーローに、わたしは惹かれてどうしようもなかったです。
生きてゆくための覚悟とか栄養を他人に差し出すことはできても、自分に贈ることは難しい。だから、ひとはひとりでは生きていけなくて、差し出し合える相手と再会できてまた恋に落ちる、支え合える運命ってこういうことなのだろうなあ、と愛しくなりました。
個人的に幼少期の佳月ちゃんの呂律のまわらなさと、成長してもずっとティラちゃんをお守りにする彼女がめちゃくちゃ可愛いなと思ったのと、ウサギにハートをもたせて飾っている先輩に興奮しました。
愛のぎゅっとつまった優しい作品です。
ぜひ、御一読を。