死ぬ前から地味で何も取り柄のないパットしない地味な女だった　 ただ、唯一周りより優れてるとしたら『乙女ゲーム』の攻略が早いこと 本当の恋愛なんて一切したことないのにゲーム内だと誰でも落とせた 正直現実の男に興味もなかったし持とうとも思わなかった そんな私の生きがいであるゲーム。 その最新作を楽しみにしていたのに… その日に届いて帰ってすぐにやるつもりだったのに… なんで…なんで… 交通事故に合うかなぁ〜

君と出会ったのは…小学2年の夏 学校でイジメにあっていた茜を助けたのがきっかけで春樹と知り合った その後に発覚したのは家がご近所だということ そんな訳あって一緒に過ごすことが多くなった 二人は私のことを『幼馴染』と言ってくれる それは、正直に嬉しい…めちゃくちゃ嬉しい 春樹は警視庁長官 茜は有名な相模グループのお嬢様 で、私はというと母子家庭の一般市民 いや、母子家庭の時点で訳ありの一般市民か 頭はそこそこ良い、運動神経は抜群の方 けれどさ…身分差はどう頑張ったて縮まらない しょうがないこれが現実だ しょうがない、仕方ない、同仕様もない なのに…なんでさ こんな感情を覚えたんだろう… 私は… 現実が見えない馬鹿ではない だから…この恋は ……忘れよう。

お金に余裕がない家庭であることは小学低学年頃から分かっていた だから、勉強してなるべくお金がかからないように頑張った 高校も公立をトップで合格すれば全額免除する高校を選んだ なのに…母さんからの一言で全てがパーになった 「翡翠。あんた緑山高校行来なさい」 「えっ？」 「大丈夫、あんたは兄たちの喧嘩に加われるほどの実力だから」 「…はい？」 雨宮翡翠、若干15歳 男子高校緑山学園高等部に進学します