櫻いいよさんのレビュー一覧
少し世間から(思考が)ずれたお嬢様、絵理 そんな絵里に執事として仕える陣。 そんな中、季節が巡って訪れたのは…「バレンタイン」 「バレンタインとは?」 そんな想いから始まる二人のチョコレート作り 相変わらずテンポよく進むキャラとストーリー そして思わず笑ってしまう会話。 だけどその中で抱くそれぞれの不器用なりにまっすぐな想い。 我慢していた想いは チョコレートの様に溶けてゆく。 熱く甘く。そして面白く? 前作『純愛バトラー』を呼んでいなくても、十分楽しめる作品です 是非ご一読を。
そう、特別な日 「チョコはもらえるのか?」「もらえないのか?」 至って普通の男の子 今年こそは…今年こそは 憧れのあの子からチョコレートを!! 女の子にとっての特別な日、バレンタイン もちろんそんな日は男の子にとっても特別な日 クラスにいそうな元気で馬鹿で、だけど憎めない男の子 必死でアピール 必死でアタック バレンタインまでの決戦はどうなる?どうする? テンポ良く進む中にちりばめられたお馬鹿な会話に脳内妄想 本当に馬鹿だな—なんて想いながらも憎めなくってむしろ愛しくなってしまいます さ、この決戦 結果はどうなるの? 男の子たちだって頑張ってる! そんな作品 是非読んで見て下さい。
失った物は かけがえのない物 失ったからかけがえのない物なのか、かえがえのないものを失ったから捕らわれるのか だけど、どちらにしてもきっと「想い」があるから 短い時の中で 永遠になくならない物を手にしてしまった虎 手にして 残してきた思い そして持ってきてしまった想い そしてそれでも覚悟する想い 「戦国サイダー」のその後、もしくは過去とも呼べるこの作品 一時、一瞬、静寂の中で見える風景と共に描かれる虎 余韻に浸れる素敵な番外編でした。 是非本編を完読された方に読んで欲しい短編です。 読んでいなければ是非、本編と合わせて読んで見て下さい。
ある晩であったのは、若い男だった 片耳のない男 焼けただれたように、なくなってしまった男 「その耳どうしたんだい?」 会話をきっかけに、いや抜け出せないループに入り込んでしまった客の男 「面白い話をしましょうか?」 予想を裏切るラストに、思わず手が止まりました。 短い「面白い話」是非、聞いてみて下さい。
男勝りなナギサが好きなのは、幼なじみのサッカー馬鹿、忍 サッカー馬鹿で鈍感で、ちっともナギサの思いに気づいてくれなくて、毎年渡すチョコにも全然まともに反応してくれない 望んでいるのは大きな事じゃないんだ 好きなだけ 好きでいたいだけ 「不安」になったり「やめたく」なったり心は傷付いて揺らぐ、だから「片思い」より「両思い」でいたい、だけど本当に望んでいるのは? 両思いになるって本当に奇跡 それだけで奇跡 そんな素敵な奇跡がきっと一年で一番起こる日 バレンタイン 是非読んで見て下さい 好きな人をまっすぐに想いたくなる作品です
幼なじみの大和とさな 年下の大和に振り回されつつも、まっすぐな思い、前作の困難を乗り切って結ばれた二人のその後は…? 教師になったさやの目の前には生徒の大和 先生と生徒の秘密の関係 だけど作品では「秘密」より深い思いを感じました 人を愛すること 恋人同士であったり、家族であったり、友人であったり まだまだ未熟な登場人物が、一つ一つの壁に一生懸命に立ち向かっていく姿は、みんなとても素敵でした そして何よりも大和とさやの思い 不器用で未熟、まだまだ子供 それでも譲れない思いや気持ち だけどぬぐえない不安 「頑張って」「大丈夫!」と読んでいる私が大和とさなに言いたい気持ちで一杯でした その思いの行方は? 前作よりもパワーアップした大和の色気も見物です♪ もちろん前作を読んでいなくても楽しめる作品、是非読んで見て下さい
夢見がちな女の子夢子 夢に出てくる王子様はいつ出会えるの? そんな期待を胸に毎日を過ごすそんな夢子を影ながら守り続けてきた幼なじみの翔 そしてやっと出会えた王子様の存在 そこから物語は動き出す 夢子の生活も 夢子の気持ちも それに伴って翔も 王子様、こと百地も 人と人の関わりは 偶然にも思えるし、必然の様にも思える 人が動けば周りの人も何かしらの影響を受けて そうしたことが繰り返されて今ココにいる自分 いつも始まっている どこかで誰かが動いている 前世と宿命、そして誰にも言えず秘めてきた力 悩みながら模索しながら進める登場人物たちはとても魅力的でした 和の雰囲気を感じながら、登場人物たちの成長と始まりを、見守ってみてはいかがでしょうか?
大好きだった昔の家庭教師の先生 そして今、高校の教師として目の前にいる先生 だけど どうして? 前のように笑ってくれない先生 大好きだった先生の笑顔 笑顔が見たい 笑顔がなくなった理由、先生の心に今も深く深く傷跡を残す過去 それでも諦めず 一途に思い、そして行動する 奇跡ってきっと 『頑張った』から起こるもの 何もしないで起こるものじゃない そう感じました 無理かもしれない 無駄かもしれない だけど そう思って 自分を信じて行動したら きっと奇跡がまっているのではないでしょうか? 聖夜の奇跡 切なくて、だけど暖かいそんな奇跡を是非読んで感じてください
クリスマスを目前にして彼女に振られたユキ いつもいつもこう いつもあと少しの勇気が出なくて いつも逃げ腰だった 好きだったのに 彼女の変化にも気づかず、今に甘えてしまっていた 不器用で 要領が悪い… そんなときかかってきた電話は知らない番号 だけど呼ばれる名前は 『ユキ君』 君は誰? 約束って何? もしかしたら偶然 だけどもしかしたら 必然 些細な事がきっかけで色んな事が重なって 何年も何年も積み重なって、出来る「今」 それってすごいことなのかも でももしかしたら「クリスマスの奇跡」かも そんな風に感じました もうすぐクリスマス 寒さの中に光る未来を感じてみて下さい
運命かもしれないし 偶然かもしれない 大学進学三年目、桜の木の下で、彼女に出会った キレイな君 脆い君 そんな君と出会えたことは、出会えた意味は何だろう 愛って色々 相手を思いやるのも愛 相手を縛り付けるのも愛 相手に捕らわれるのも、相手にはまるのも愛 どれも不器用 どれも間違いだらけでどれも正解なのかもしれない ただ少し方法を間違えただけなのかもしれない 苦しみ だけど逃れられない愛 だけど愛って人と人が関わらなければ生まれることがない感情なのかも 些細な事で脆く崩れる思いだけどきっと強くもなれる 間違いながらも傷つきながらも歩むキモチ胸が熱くなりました 愛の形 こんな不器用な思いだけど間違いなくコレも愛 そう感じていただける作品だと思います 是非ご一読ください
たまにはこんな風に 求め歩くのもいいのかもしれない 夢を見て 夢を求めて 一人君に会いに出かけるのも… そんな優しい光を感じたらきっと またがんばれるのかもしれない 短いけれど 心に優しい微かな光を感じ、じわりと広がるような、そんな素敵な短編でした
夜な夜な聞こえるのは少女の泣く声と、男の怒鳴り声、そして皿の割れる音、男が暴れる音、テレビの音 その日もいつもと同じだった いつも通り、同じアパートの住人はその音に不安を抱きながら夜を過ごすはずだった−… その夜、少女が家にやってくるまでは… 与えられたまとまりのないキーワードをちりばめた、だけどどれも違和感なく、トリックを引き立てています 緊迫感 そして不安をかんじさせる文章力とストーリーでした 是非ご一読ください。 そして終始感じる緊張感を体感してください。
雨が降ると思うんだ 「考えなさい、悩みなさい」 そう言っているように感じるんだ——… 飼い犬の「宗一郎」はまだ一歳足らずの幼い犬 お父さんは野良犬で お母さんは一緒に住んでいる 大好きな家だけど、こう思う 「このままでいいのかな?」 ある日の事件をきっかけにその思いのままに行動に移す宗一郎 家を出て 外に出る そこでであった猫 そして新しい友達シロ 優しさに触れて宗一郎は多くのモノを感じ成長する だけどそれは周りの人も… 野良犬になった宗一郎の過ごす一年、その一年の出来事を、覗いて見てください きっと優しい気持ちになれます 考えてもいい、悩んでもいい、躓いても、立ち止まっても きっとそこから何かを得るはず 大好きな作品です
ゆったりと流れる時間 ゆったりと紡がれる言葉のリズム 優しく そして染みこんでくるように心に感じられました なんだか愛しく思えるほど、私はこの作品、そしてこの作品の女性が大好きです 冬にこそ読んでほしい、そう思います