その時代、日本は荒れていた。 多くの人々は、怒りや憎しみにとらわれ、その心のままに行動した。 その結果、約５００人に一人が殺され、また同じくらい殺す人間も存在することとなっていた。 殺人は日常的に行われ、身近に存在し、人口も減っていった。 毎日多くのの事件が起こるこの時代、警察の捜査も追いつかず、検挙率は年を重ねるごとにダウン。 そんな状況のため、警察内は淀み、やる気のある刑事はどんどん減っていった。 そうして日本は、犯罪の溢れる国となっていたのだ。

それを、誰かは「希望」と呼んだ。 くだらない毎日から抜け出すための、唯一の「光」と呼んだ。

あなたと出会ったときのこと、 わたしは今でも憶えてる。 わたしは勝手にあなたとの出会いを、 『運命』なんて呼んでたけど・・・ ねえ、時間って切ないものだよね。 人は限られた時間の中でしか 生きられない。 だから人は、誰かと出会えば、 必ずその人との別れも経験しなくちゃ ならないんだ。 その人が、どれだけ大切な人でも・・・ だから、あなたとの時間も 永遠じゃないって分かってた。 いつかお別れのときが来ることも。 それなのにこんなに悲しいのは・・・ あなたを想うこの気持ちは、 きっと永遠だからなんだね。 あなたと過ごした10年間の物語。 時を越えて、もう一度繰り返す・・・