桐谷 ルイさんのレビュー一覧
ネットが生活にすっかり浸透しきっている現代ならではの設定。 語尾に草が生えていたりしても、そんなの気にならない……寧ろこの作品ならそれが尤もぴったりだとと納得してしまうくらいに上手い舞台づくり。次から次へと展開があり随所に詰め込まれた萌え要素に終始にやにやしながら読みました。 ともすれば軽くなりすぎてしまいそうな内容かもしれないのに、しっかりと心理描写もあり、せつない気持ちも伝わってくる。 めりはりがあり、スピード感溢れる構成が飽きさせずページを捲くらせてくれました。 面白かったーと、素直に楽しめる良作です。
本物の天使がいました。タイトルは伊達ではない。明るく前向きでひたすら純粋な主人公。ともすれば出来すぎに思えて同姓がひいてしまってもおかしくはないのですが、不思議なほど好感がもててしまう。その愛らしさに参りました。 ぶれない軸がキャラクターや物語にあるからこその成果。 長いページ数をあきることなく読ませる文体はとてもわかりやすく、読者をひっぱる力を持った作品だと思います。 素直に祝福を送りたくなる天使。 読み終えた後自然と顔がほころぶでしょう。
幼い恋。甘くて青くてたよりなくて……それでも一途な思いは抱いたままに…… 心通う時起きる奇跡。だけど思い描く幸せなはずの未来とは裏腹につらい現実。 不器用だけどただただ一生懸命な姿に胸が熱くなる。 甘酸っぱくも、時に官能的。だけどそれだけでなく確かに胸に迫るものがあります。 ラストに作者の優しさが滲む、青春ラブファンタジー。 強く願う想いが起こす奇跡をご覧あれ。
魔法使い・ヒーロー・天使・悪魔……こっわ~いおっちゃん達。奇跡を起こすアイテムを巡り、とんでもない連中に囲まれ奮闘するは元気な女子高生、空兎。奇跡を巡り繰り広げられる騒動やアクションにドキドキさせられ、時にはグッときたり。奇跡を追うめいめいの思いや背景がしっかり描かれているから、よりワクワク感は加速していき、この奇跡争奪戦の行方が気になってたまらなくなる。争奪戦の行方は?結末の後それぞれに残ったものは?注目はずっとそばにいて空兎を見守ってきた従兄、仙太。 奇跡は意外とそばにあって、手を伸ばせばとどくものなのかもしれない。 あきらめない気持ち。 前へ進む勇気。 そんなものを思い起こさせてくれるような、パワフルな冒険ファンタジー。是非にお楽しみあれ。
狂気と正気、愛情と非情、理性と欲望、正義と悪、秩序と無秩序、理論と直感、美と醜、理想と現実…… 相反するありとあらゆるものが同じ場所に同じく存在する様は正に紙一重。 登場人物一人一人が見せる表情や行動、心情はことさらに強く、人の持つ欲の深さが、人という生き物の業を感じさせる。 バラバラだったピースが見事に繋がり、必然とかわる様が圧巻。ひとつの物語と形を成したそれが与える衝撃は何も目に浮かぶものだけのせいではないだろう。 ナイフのように読み手の深層意識を抉る問いかけにも似たメッセージをどう受け取るかは読み手次第。 そしてもしかすると… フィクションかノンフィクションかすら紙一重なのではないか? そんなリアル感もある。 とにかく面白い! 長々と書きましたが、一言でいえば。 『すげぇ!!』 それに尽きます。 読まなきゃ損ですよー!
あー!あるある ドキドキしちゃう甘い恋のシチュエーション よく見る、ありがちな でも女の子ならときめいちゃう 共感しちゃったりする ちょっとしたあんなこんな 場面 が、吹き出しそうになるのは 何故だ!! 妄想は楽しいです 楽しくてたまらんのですよ 乙女の皆様。是非一見あれ
月が昇る夜毎に訪れる 美しい月の使いが語る 月の数だけの 恋と愛の物語 静かに落ち着いた語り調で綴られるお話が 月の光のように しっとりと染み込んでくる そして数々の物語が語り終えられた時 生まれる新たな愛の物語 タイトルどおりに 夜がとてもよく似合うお話 うっとりとできること 間違い無しです
タイトルのイメージ通り とても野性味に溢れる、 男性が描く、男性だからかけるハードボイルド 陰謀、怪しげな団体、歴史の影で伝えられる術、お色気、信頼、反発、友情、笑い、涙 ありとあらゆる要素がゴージャスに詰め込まれた物語は、最初は取っつきにくく感じるかもしれませんが、ひとたびはまればグイグイと引き込まれます。 甘いお話も良いけれど、たまにはこんなハードボイルドもどうですか? まずは男性諸君 是非読みなさい!
暗闇に淡く揺れる儚げな薔薇 短篇ながらしっかりと作りこまれ、書き込まれたストーリーがそんなイメージに、どっぷりと浸からせてくれます 現代ファンタジーが多いイメージの作者さんですが、今回は西洋風のお城が舞台 陰謀が絡み合うそこで 最後に見える真実がちくりと痛みを残す 余韻がせつないダークファンタジー そこに隠された秘密をどうぞご覧アレ
短篇ホラー集です。 このかたといえばラブコメ長編のイメージが強いのでしょうが、実は個人的には短篇ホラーもかなりプッシュなのです。 日常にありそうな風景 それが淡々と進む文章を追う内にいつのまにかじわじわと恐怖に色を変えていく。 その独特な色の変化が、なんとも不思議な感覚にさせながらも、リアルさも色を失わないから だからゾクゾクっと 後からボディーブローのように効いて来るのです はまるとやみつきになる 絶妙の感覚を是非に体感あれ
切り取られた青さと熱さと甘酸っぱさが 鮮明で 懐かしさと、 いいなあ……とどこか今更ながら憧れる気持ちと 吹き抜ける風のような爽やかさ 夏の終りに良く似合う逸品 この方の作品はほんと染みます 今青春真っ只中の方にも もう青春を過ぎた方にも どちらにもオススメします
恋愛、先生、ホスト 正直個人的にはあまり興味をひかれない単語がずらり(むしろひいてしまうくらい) ……しかし、この作者さんの他ジャンル作品が好きな者としてはどんなふうに書くのだろうと興味はありました 捲って…読み進めて ああ、やられた。 紫音……カッコイイよちくしょう ホスト好きでも先生好きでもないのに。まんまと魅惑の魔法にかかってましたよ。 ジャンル違えど作者独特のせつなく胸に訴えてくる空気も健在。 先の読みにくい展開に何度もハラハラしました。 うまいなぁ…… 危険な魅惑の魔法に、ドキドキしてみたいなら是非に
僅か40ページにして200ページ越えの長編並みの読後感 凄いなと、素直にため息 醜い感情を剥き出しにした結果のように見える事件 だが真相は…… 登場人物達の感情は見方次第ではとても美しくも見えたりする 醜さ、美しさ 剥き出しのそれをあなたはどう受けとるだろう 暗く陰鬱さを伴う作品。だけど私には美しくも見える。 この読みごたえはかなりのもの ……降参です。
一人の王の死 それをきっかけに生まれる出会い。ひとりの少女が抱いた疑念は、思いもよらぬ様々な真実を晒しだす。 登場人物達の思いはどこかぼかされ霞みがかかったようにも見えるが、あえて隠されたその心情が物語をかたどる確かな基盤となっている。明確でわかりやすい見える感情のみを人はもつわけではなく 実際は皆、迷い、どこか灰色を帯びているものであるもの 真実が明かされていくまでの構成も素晴らしく、独特の言葉まわしがとても印象的 単純そうで複雑、しかし複雑そうでいて、登場人物の心情をはかるならばじつは単純な結末 そんな灰色具合が面白い 書き手としても、読み手としてもとても興味深く刺激ある作品でした
漢だなぁ…… 確か作者は女性だったはず なのに妙なリアル感 一見力抜けまくりな文体も、この作者さんがこんな文体?との意外性 しかし秘かに揶揄されてることを思うと、ニヤリとちょっと黒い笑いもでるもんで…… 面白い作家さんです ニヤニヤさせていただきました♪
恋するドキドキ……しばらく忘れてました それが見事に引き込まれ 恋に落ちた愛すべき女課長さんにシンクロ 一緒にドキドキさせられたり 時にはせつなくなったり そのギャップに素で笑ってしまったり ほんとに夢中で追いかけてました 終わってしまって今は寂しくすら感じてしまう、あっという間の518ページ 至極のラブコメディ ジェットコースターに乗った気分が味わえますよ 何はともあれ捲って下さい。 虜になること、間違いなしです