築城 夏さんのレビュー一覧
どうせ同じ結末に至るなら 迷う必要なんてないじゃない 期限なしの愛なんて、どこにある 期限のある愛なんて、どこにある 永遠という名のはじけて消える一瞬を わたしたちは いつだって駆け抜けているんだから たとえば、物語の結末を知っていたとして その結末が あまりにもかなしいものだったとして 受け入れがたいものだったとして それでも、ページをめくってしまう そんな一夏の物語
振り返ってみれば いろんな青春がありました 若い二人の青春 夫婦の青春 それから、その人生と書いて 「青春」と読むしかない おばあちゃんの青春 大切なものを見つけようとする その時間を 大切なものと向き合おうともがく その様を 生きることに直向きであった時を それを青春と呼ぶのでしょう 「青春」道中の先輩に導かれ 前に進んでゆく二人 年寄の説教話?なんて思ったら 大間違い! ラストまで輝きを失わない キラキラした愛の人生を生きる 最高に魅力的なおばあちゃん あなたも千鶴子さんに 出会ってみませんか?
毎日は毎日でしかなくて どの毎日も勝手に過ぎ去って 黙っていたって勝手に繰り返して つまんない、そんな毎日 そんな毎日は毎日のせい――― こんな考えは見事に、この作品がぶち壊してくれるでしょう ある悲劇の繰り返しが 何度繰り返しても 繰り返される悲劇が 毎日という一日の連なりに 青空みたいに晴れやかな 大切なひとの輝きが 無数に落ちている ちりばめられてる その全てを拾うことは きっと出来ないけれど 出来る限り、見つけて、集めて 輝きに溢れた毎日をつくってゆく 自分でつくってゆけば、よかった 後悔の先に切り開いた 新しい結末 哀しみも喜びも起こり得る未来 あらゆる可能性を残した結末に この作品の訴えをみました。 この訴えを より多くのひとに聴いてほしい そう思います。
みんな抱えている 孤独も弱さも 優しい場所があったら 自分のための世界があったら そこへ逃げ込めば 楽になれるかもしれない でも、いつか気付くでしょう 優しいだけの場所なんて 本当は優しくないんだってことに そこでは本当に ひとりぼっちだということに 本当の優しさは 喜びも悲しみも詰まった 手をのばせば触れられる この現実にあるのだから 驚きの展開と願いの美しさに 涙なしでは読めません。 これから読もうとしている方 どうぞ傍らに箱ティッシュを。
身を投げた。 体を打ち付けた、その先にあったのは天国でも地獄でもなく。 出られない、機械的に繰り返される3分間の檻の中だった。 本として手元に置きたいと思ったケータイ小説は、これがはじめてのような気がします。 テーマやその表現の仕方が何よりわたしには響きました。 そして謎めいたストーリーも面白く、ラストがどの時点になるのか、何かが変わるのか、気になって仕方ありませんでした。 このラストでよかった、心から。
あり得ない話ではない。 この作品に描かれていることが、いつ起こってもおかしくはない。 こういう作品に触れることで、この国が、自分たちの生活がどれだけ平和なのか思い知ります。 この作品はフィクションですが、私たちの身にもいつか起こるかもしれない事態に、高校生である登場人物たちはどう向かい合っていくのか。 そして、自分自身とどう向かい合うのか。 十代の心の成長を描いた作品です。
ノリがいいです! ケータイ小説読んでて泣かされることはよくあるけれど、吹き出したのは初めてです♪ 欲を言えば、一夜、いや二夜三夜…四……くらい一緒に過ごしてからラストに行って欲しかったです。 つまり「もっと読みたかった」ということで★×5!