色んな恋があって 色んな想いがある 僕はキミが好きで キミは誰かが好き その誰かは別の誰かを好きで ずーっと繰り返し みんなが誰かの背中を ただ追いかけていて きっと僕の背中も 誰かに追いかけられているんだ だけど、だけど、 僕はやっぱりキミが好きだよ (ほら、繰り返し) ｰｰｰｰｰｰｰ ｰｰｰｰｰ オムニバス形式短編小説 恋愛だったり 友情だったり 繋がってたり そうじゃなかったり…… 色んなお話しを 書いていこうと思います

【Welcoooooooooome!】 ♪ 不思議な場所へいらっしゃい ようこそようこそ いらっしゃい さてさてさてサテ 黒い扉が見えますか しっかりしっかり見えますね 今からあなたは扉を開けて 誰かに誰かに出会います 開けてみなけりゃわかりません あらあらあらアラ 後戻りをご希望ならば あなたの命ヲ頂戴します 扉を開ければ良いだけです 番人(一葉)

　少女はいつも雨を纏っていた。 悲しいほどに揺らぐ瞳は誰をうつす こともなく、ただ前を見据えるのみ。 　目の前で吼える男すらも、 少女にとっては排除の標的。 ｢…｣ 　少女は飴玉くらいの大きさの何かを 口へと放り込み、奥歯で噛み砕く。 続けて嚥下。 ｢…｣ 　少女の顔が苦痛に歪んだのも ほんの一瞬。 漆黒の瞳がさらに深く、 闇をうつして怒りに揺らぐ。 ｢……っ。｣ 　俺はただ、そんな少女の背中を 黙って見つめることしか、 できなかった。