コンプレックスのある人は多いと思います。身体的なこと、精神的なこと、それは様々で実は「本人が思うほどでもない」ことも多くあるはず。けれど実はそれが困ったもので、コンプレックスとは「本人が」解消するより他ないもの。人の言葉に救われることはあっても、手を差し伸べられることはあっても、結局最後は自分自身で立ち上がるしかない。
と、思うのですが、このお話はそのバランスが見事。傷さえも愛しい、そんな言葉で自分をまるごと肯定してくれる存在があったら立ち上がる力も湧いてくるというもの。けれど、ただ甘いだけではなくて厳しさもあり、誠実さもある。主人公は自分に自信が持てなくて、予防線を張って、傷つかないように慎重。それはコンプレックスからくるものだと説得力がある。
包み込む愛は、星のようにきっと沢山あることに気づけたふたりに幸多からんことを。
ひたむきで、誠実な主人公たちを応援したくなるお話でした。