Aki*さんのレビュー一覧
借金のカタに私は売られた。知らない人のところへお嫁に行く前に、一度だけしてみたかった。……最初で最後の恋を。 元お嬢さまとチャラ男くんが、期間限定の同居。少し変わった設定にワクワクして、読み始めてからずっと更新を追わせてもらっていました。 悠乃ちゃんの天然お嬢さまっぷりには沢山笑わせていただき、冷たいようで優しい浅羽くんにはキュンキュンが止まりませんでした!(榊先生の書く男の子キャラは本当にずるい!カッコ良すぎ!) 浅羽くんとの同居生活で、今まで気づかなかった大切なことに気付いた悠乃。恋するパワーはすごいなぁって思ったのと同時に、何気ない幸せをあたしも教えてもらったような気がします。 初恋はもちろん、家族とか将来の夢とか、色んなことがぎゅっと詰まった作品です。 物語が完結した今、寂しいけれど幸せな気持ちで溢れています。 素敵な物語を本当にありがとうございました!
生まれたときからずっと一緒、何でも知っている幼なじみ。だけど、伝えられていない想いがひとつだけ……。 この作品を読み終えた今、じんわりと温かな気持ちに包まれています。 当たり前のように音が聞こえている自分。それがもし、突然聞こえなくなってしまったら、自分の大事な人がそうなったら……。可愛らしく切ない恋物語の裏側で、深く訴えてくることが沢山ありました。 いつだって前だけ向いて歩けるわけじゃない。頭では分かっていても、心が追いつかず、暗い感情を抱いてしまう。だけど、周りの人達の優しさに支えられ、一歩前に進めるのだと思います。そんな、登場人物たちの『優しさ』で出来たと言っても過言ではないこの作品が、とても好きでたまりません。 泣き虫で弱かった中3のしずくが、高3には自分の夢を見つけ、れおの背中を押せるくらいにとても強くなっていて。確かな未来への『希望』を感じる素敵な作品です。
きみがいない世界はどこまでも深く真っ暗で、いっそ自分も消えてしまいたいと思っていた。きみと過ごした17歳最後の日……起きたのは24時間の奇跡。 優太とゆりあ、少しずつ刻まれてゆくふたりの時間。綴られた文章はとても丁寧で優しくて、ふたりがお互いを想う温かい気持ちが一層強く伝わるようでした。 逢優さんの作品は、“今”をどう生きるかをいつも教えてくれるのですが、この作品も。そして今回は“命の繋がり”についても考えされられました。 自分の命は自分だけのものじゃない。想像するより遥か昔から繋がってきた、奇跡。 限りある時間の中で過ごすふたりは一生懸命で、どうにもならない想いに押しつぶされそうで、涙を浮かべずにはいられない切なすぎるラブストーリーでした。でも、逃げずに前を向くふたりの、儚くもとても美しく強い物語でした。
女子寮と男子寮の間に建つ、大きな図書館。そこが自分の居場所で、本の中の世界が全てだった。……深夜0時、君に会うまでは。 久しぶりに作者さまの作品を読ませていただきましたが、やっぱり好きだなぁと思いました。 無言ちゃんと真夜中くんのやり取りは可愛くて、真夜中くんのひと言には、こっちまでドキドキさせられて。思いがけない四角関係に、きゅうっと胸が締め付けられながらも、続きが気になって2時間ほどで読んでしまいました。 個人的には、ののちゃんが大好きです。それから真夜中くん、穏やかに見えつつ、ちょこちょこからかってきて気まぐれなところに、キュンキュンしまくりでした。猫系男子万歳!(笑) 初恋の甘さと切なさがぎゅっと詰まった、本当に素敵な作品です。
親達の都合で、突然同居することになった男の子。人のポッキーを勝手に食べてるし、最悪なヤツ!……と、思っていたらまさかまさか同じ高校で同じクラスで、そして部活まで……!? 人気者男子と同居という憧れのシチュエーションに、ドキドキしっぱなし! ヒーローがカッコイイのはもちろんですが、周りの先輩達もカッコよくて、終始キュンキュンが止まりませんでした!! そして、同居ものは人気で数多くありますが、この作品はひと味違う。恋愛だけじゃなくて、部活に打ち込む姿とか様子が本当にしっかりと描かれています。なので、ピンク系作品が苦手だという人にも自信を持ってオススメします! ケンカ腰のふたり。でも、お互いを想っているのは明らかで、同居しているからこその何でも言い合える関係に、ニヤニヤしっぱなしでした。(笑) 素敵な胸キュンをありがとうございました!(何度もオムライスが食べたくなりました〜!笑)
もう頑張りたくないと思った。だから、逃げ出すことにした。黒猫と君と一緒に…。 頑張るってどういうことだろう。何を、どこまでしたら頑張ったって言ってもらえるんだろう。そもそも「頑張った」基準って何だろう…。読みながら色んなことを、茉莉と一緒に考えていました。 頑張ることに必死な茉莉と、頑張ることを諦めた壱。性格は対照的かもしれませんが、もう頑張らないと決めても、無意味だと言いながらも、結局頑張ってしまっているふたりは似ていて。一生懸命で真っ直ぐで素敵だと思いました。 いっそのこと忘れてしまいたいこと、頑張りすぎて逃げ出したくなることはあるけれど、それを忘れて生きていくなんて出来ない。 傷つきもがきながらも、人は誰しもなりたい自分に近付くために頑張っているんだと、自分も黒猫に教えてもらいました。 きみは、どうしたい? …答えはきっと決まっているね。 これから先、何度も読みたい一冊です。
嫌いになったわけじゃない。今も、これからもずっと大好きで、大切な人。だから……お別れすることを決めた。 人気者男子のはるくんと、地味系女子の笑花ちゃんの恋。別れを告げるシーンから始まる物語ですが、話の組み立て方がすごく上手くてドラマチックでした。 相手のことが好きで、素敵だと思うからこそ、自分に自信がなくなって、卑屈になってしまう。それは、恋をした人ならほとんどが経験する感情ではないでしょうか。 笑花ちゃんの気持ちがすごくわかるから、切なくてたまらなかったです。 傷つき、悩み、傷つけながら、人は成長して大切なものを見つけていく。傷つくことも、傷つけてしまうことも怖いですが、そこから目を逸らしてばかりだと、きっと本当の幸せは手に入らない。 人を強く成長させてくれる恋する気持ちは、やっぱり最強ですね。
魔法薬局でバイトする高校生のリア。ある日、依頼者の薬のため、後輩のロイと出掛けることになる。場所は……通称、悪魔の森。「わたしがロイ君を守るから!」先輩らしく宣言したのだけど……。 正にファンタジーの中のファンタジー!とても短編とは思えないくらい設定がしっかりしていて、でも説明がだらだらとあるわけではない。いつの間にか、魔法も魔物も当たり前の世界が目の前に広がっていました。 出来る後輩と頼りない先輩。ふたりの関係は親しみやすくて、何気ない会話も全部微笑ましかったです。そして何といっても戦闘シーン!臨場感あふれる描写に文章が自然と、頭の中で映像に変わっていました! 自信をもってオススメ出来る、本格ファンタジー。更に物語の最後には、ロイ君がとっておきのキュンを残してくれます。 出来るならもっと、ふたりの冒険にお邪魔したいと思いました(*^^*)
それなりに上手くやっていた。友達に囲まれ、楽しい日々を過ごしていた。だけど、『我々は、反乱軍である』――その放送が“私”をぶっ壊した。 きっとどこでも存在するヒエラルキー。その上層部の人も下層部の人も、それぞれの思いを抱えている。当たり前だけど、ハッと気付かされるところが幾つもありました。 はじめは全くまとまりのなかった彼らが、ぶつかり合って、本音を口にし、仲間になってゆく…。その過程にとても青春を感じ、羨ましくさえ思いました。そして茗子、それからお母さんと話す場面では、感動して涙してしまいました。 なかなか伝えられない思い。でも、勇気を出して口にしてみれば、何かが少し変わるかもしれない。世界は自分が思っていたよりも、優しいのかもしれない。 見落としがちな大切なことが、たくさん詰まった作品です。多くの人に読んでもらいたいと、心から思いました。
バンドなんてうるさいだけ。そう思っていたイメージを変えたのは、イケメン4人組の高校生バンド、ブルーウィンズ。観客のひとりだったあたしが、ある日彼らの手伝いを頼まれて……。 ポンポンとテンポよく進んでいくお話に、まるでマンガを読んでいるかのように、あれよあれよと読み切ってしまいました! ブルーウィンズの4人のキャラのバランスがとても良くて、結愛との掛け合いから伝わる楽しい雰囲気に、読んでいて笑顔になりました。でも、楽しいばかりじゃなくて、胸を打つ場面も沢山あって。 結愛の過去、それからラブソングを歌わない湊。思わず逃げ出しそうになりつつも、まっすぐ前に進んでいこうとする姿からは、青春ならではの輝きを感じました。 とても清々しくて、何か頑張ろうと思える、明るい気持ちになれる素敵な作品です。作中の歌詞も必見です! さあ、新しい世界へ向かって走りだそう!
男勝りな性格のせいで素直になれず、可愛げの欠片もないあたし。こんな自分、あいつはおろか誰も女として見てくれるはずがないと思ってた。だけど突然現れた後輩は、あたしのことが好きだと告げて……。 大成と尚。李穂目線でどちらも魅力的に描かれていて、どっちと上手くいくのか最後まで分かりませんでした!…というか、どっちと上手くいっても文句がないくらい、ふたりとも素敵でした! そして、主人公の李穂。言葉づかいも行動も確かに男の子みたいだけど、心の中はしっかり女の子で、自分の気持ちに悩む姿はとても共感でき、可愛く思いました。 この作品で一番好きだったのは、1on1のシーン。会話文と試合の運びがドラマ的で、文字を読んでいるだけとは思えなかったです。 ラブコメって言葉がピッタリな、読んでいてとても気持ちの良い恋愛小説でした!
女子には仏頂面で、話しかけづらい桐島。同じ部活だけど、深く関わることはないと思っていた。だけど、わたしを励ましてくれたのは…桐島だった。 実話をもとにした青春ラブストーリー。この作者さんの小説はどれも部活についてリアルに描かれているのですが、今回は実話を掲げているだけあって、走っているときの苦しい気持ちや負けたくない気持ち、ゴールした時の達成感など、自分の呼吸も思わず上がっちゃいそうになるくらい伝わってきました。 目標を持てばきっとそれは上り坂。途中で休みたくなったり、足を止めてしまいそうになる。そんな時、莉桜の背中を追い風のように押してくれたのが桐島で、桐島にとっては莉桜で。目標に向かっていくふたりの姿は、とても清々しく、こんな関係っていいなぁと心から思いました。 あたしにはまだ、ふたりの物語が終わったようには思えません。まだ見えないさよならの先…ふたりの笑顔がありますように。