かなさんのレビュー一覧
受験生のカップル。今後遠距離になることはわかってて、未来を考えると、続かないんじゃって不安になる。だって、周りの友達だって、別れちゃったし。それに、彼より、私の方が、気持ちが強いから。 …もう、とても好き!!短編でじわっと泣けてしまうなんて、思いませんでした。 綺麗で丁寧な文章。淡々としているようで、しすぎていなくて、その加減が絶妙で、読みながらお話の世界に浸っていました。 樹くん、本当に、芯からかっこいい。お話を読んでいて、うわぁ、この男の子好きだなぁ!と素で思えたのは久しぶり。 うん、でも、高橋ちゃんと、樹くん。このふたりだから、いいなぁ。このふたりは、なるべくしてなったカップルだよなぁ。 文章の書き方も、選び方も、とっても好みドンピシャ。好きな作家さんが増えたことも、また嬉しい。 きっと、すぐに読み返すと思う。そんな、素敵な彼と彼女。是非ご一読を。
年上祐くんと、年下さゆちゃん。四年のお付き合い歴で、同棲していて。 もうできている。ふたりのリズム。 帰ったらお風呂に行けって言われて、お風呂のあとは、ぎゅーっとして。 たまに甘えた。乱暴な口調。やきもち。可愛い。可愛い。ぜんぶのさゆが、好きだよ。 すーっごくかわいいお話!心がむぎゅむぎゅして、さゆちゃんをぎゅーっとしたくなったり。さゆちゃんから見た祐ちゃんはどんななんだろう?とも思ったり。 作者さまのお話に癒され、作者さまのあとがきにうなずく。 "カップルは正義!!" ビックリマークを語尾につけて言いたいくらい、可愛いほっこり話を、ありがとうございました。
次告白してきた人と付き合う。かたや、そんな罰ゲーム。杏奈に告白しろ。かたや、そんな罰ゲーム。間違いの重なりから、生まれたウチら。なあでも、ウチの気持ちは、間違いちゃうねん。 杏奈。達郎。本当にそこにいるかのように、生き生きしていました。現実のような会話に、描写。この作者さんのお話の中で、一番好きかもしれない。サブキャラ含めてみんな、なんてホンモノで、なんてあったかいんだろう。 現在と過去のエピソードの混ぜ方も、秀逸。相手の気持ちが丸見えなわけじゃないから、主人公の切なさに、共感。22ページのシーンの書き出し方、最後の一文がすごく好き。 筆力と勢いを兼ね備えた短編、最後の追いかけっこ前後から、じんわり泣けてしまった。二人と一緒に走って、泣いて、ときめいて、幸せに浸っていました。 まだあたたかさが残っています。素敵なお話を、ありがとうございました。
結婚して、旦那は冷たくて、自分にお金も時間もかけられなくなった。 友達は結婚していくのに、未だ独身で、仕事が楽しくて仕方ないなんて嘘をついた。 実花子さんだからこそ書ける、共感しすぎるリアル。読み出すと指を止められないこの現象は、何度目でしょうか。日南子の気持ちも、いずみの気持ちも、痛いほどわかった。日南子サイドのときはいずみがうらやましくて、いずみサイドのときは…また然り。 どうしてこうじゃないの。こうならないの。わたしよりあの子の方が。わたしももし、こっちを選んでたら。 人生には、永遠につきまとう疑問たち。けれど、今立ってる場所にも、かけがえのない歴史と、暖かさがあるんですよね。 もしも、の空想の幸せを重ねるより、じっくり重ねていきたいものが、わたしたちには、きっとある。
天然すぎる可愛い女子と、その子をずっと好きで、振り回される素敵男子。幼なじみの、じれ甘いお話。 読んで一言。凪くん、パーフェクト!! 手をつけてしまったが最後。あれよあれよと番外編まで完読してしまいました。 気を抜くと、凪くんにキュンと突かれる。ド天然っぷりにクスリとしながら、可愛すぎてこりゃ仕方ないとなってしまう、心愛ちゃん。ナイスキャラの栗原くんに、舞香ちゃん。みんな大好き。 やわらかく、心に馴染むような文章。作者さんが読み手にわかりやすいよう工夫されているのが、すごく伝わる。本当にあたたかく、心地よい文章でした。一気読みしてしまったのはきっと、キャラも文章も、とても好きだったから。 初めての気持ち。散々振り回して、振り回されて、でも素直に、一生懸命、気づいた"好き"に向き合えば。 そこには甘い甘い、幸せな時間が待っているのです。
病気の話は、決して選んで読む方ではありません。読み進めて辛くなるのが、わかっているから。 このお話も、読んでいて、とても辛かった。希望の光が、とてもとても小さいのが、辛かった。それでも読み進める手が止まらなかったのは、莉乃ちゃんが、とても純粋だったからだと思います。 純粋で、真っ直ぐで、人のために泣ける女の子。まぶしい太陽というより、きっと陽だまり。 その想いを受けた、シローくん。たとえほんの小さな希望であったとしても、手放さないと決めた。その瞬間から、二人のことを必死で応援して、二人の時間が、永遠に続きますようにと願っていました。 とても悲しいけれど、優しさが溢れていて、読み終わったあとも、優しさが止まないお話。 純愛って、きっとこういうことなんだなぁと思いました。心が洗われる、素敵なお話をありがとうございました。
ドキドキする瞬間を詰め込んだオムニバス、というキャッチフレーズが、まさにぴったりな短編集でした。 読んでいて、ドキドキする瞬間って、何かが崩れる瞬間なのだなぁ、と思ったり。上司と部下の関係とか。張っていた意地とか。保っていた距離とか。 男と女の、はたまた男子と女子の、互いに何かを崩す瞬間。崩してくれるのが、あの人ならいい。踏み込んでくれるのが、彼であってほしい。全てのお話にときめいて、それだけじゃなくて、その後の幸せな未来も見える気がするからメルさんのお話が好き。 5話目がとてもお気に入りのわたしが、すぐに関連短編へ飛んだのは言うまでもありません。 ちょっと黙って心臓。あのヒトのそばにいる時、わたしの心臓はとてもうるさい。 メルさんの世界は、いつだってふわりと甘くて優しいときめきを含んでいる。
とあるカフェで働いている、一級品男前、長谷川くん。オネエは職場だけのキャラ。お客さんにもウケは上々。それなのに、かつて気になっていた想い人が、偶然にもカフェのお客さんとしてやってきたから…さあ大変! 前作の長編からこの方のお話にハマってしまったのですが、今作もまた!もう!いい具合に私をガッチリとらえて放さず、いい具合のまま完結まで導いてくださいました。 お話の設定自体が面白く、テンポよく進んでいくストーリーには小気味良さを感じるほど。しかも、小ネタだったり、会話だったりも、もう絶妙なんです。一個一個挙げたいくらい、クスリとできて、すごく素敵。作者さんのセンスが好き。 最後、長谷川くんが動くシーンは、わたしも一緒に走っているような気持ちでした。愛しくて笑えて楽しくて、頑張れ!って、応援してしまう。素敵なお話をありがとうございました!!
成績優秀、中々の会社に就職し、ご近所に自慢の娘だったはずなのに…いつの間にやら、結婚ラッシュの波に取り残された、行き場のない女に。渋々行った合コンで、まさかの好条件イケメンからアプローチされ… これは面白い!!一気読みしてしまって、最後のページに行き着いて驚いていた自分がいました。 ものすごくリアルなんです。すごく共感できるんです。何度も頷いて、気がついたら、登場人物達をとても好きになっていて、友達のように思って、素敵だなぁと思って、切なくなって、笑って、頑張って!って、必死に応援してしまうんです。最後まで先が読めませんでした。大人小説で、リアルさもトキメキも感じられて、ここまで一気に読んでしまったのは初めてです。央、とても好き。 夢中になって読めるお話に出会えたこと、本当に嬉しいです。始終楽しかった。とっても素敵なお話です!
側にいるのが当たり前で、大好きなのが当たり前な、幼なじみ。そんな彼が、芸能人になりました。 前作長編からこの作者さんの大ファンになった私ですが、今作で、もう間違いなかったと顔をビシャビシャにして頷きました。 読んでいると、その人が実際にいて、こうちゃんが、季沙が、みんながいて、物理的な温かさと、心の温かさを、本当に感じるようで。私がこの作者さんの大ファンなのは、そういう感覚になれるからなんだと思います。この作者さんのお話で泣くの、すごく好きだ。泣けば泣くほど心があったかくなって、みんなのことをより一層好きになれるから、好きだ。何度も戻ったり、繰り返して読んだ。 ラブレターのようになってしまいましたが、こうちゃんと季沙の関係には悶えます。こんなにむぎゅむぎゅさせられるカップル、初めてです。 私のだいっっすきなお話!叫んでおくので、皆様も是非、この感覚に浸って下さい。
感動した、で済む感情じゃなかった。感情をまとめられず、腑抜けになったようで、レビューを書けなかった。そういう体験をさせてくれた、初めてのお話です。 小学生の頃から、大人になるまで。不安定な初恋と、抗えない不変の中で、紡がれる軌跡を描いた小説…だなんて、そんな簡単に片付けたくない。あらすじは書けない。言い表すことができない。 あおの想いが突き刺さって、痛かった。けれどいつまでも見ていたかった。心が芯から震えて、叫んでいるようで、私の心にも、炎が生まれていた。あおが舞った夜の、祭りの炎。あおとヒカルが互いに向ける、目の奥の炎。幻想的なのにリアル。求めすぎることの乱暴さと気高さと美しさから、まだ抜け出せない。 何度泣いただろう。流したのは、何時もとは違う種類の涙で。止まらなかった。そしてやっぱり、数日経った今でも上手くレビューが書けなかった。 このお話は、私の宝物です。
過去の出来事から、ハーフっぽい外見に引け目を感じている小夏。高校でギャルになって、外見だけは派手にして、辛い失恋も気にしないフリをしていたけれどーー 桐谷くんの悪い所はどこですか!いや、ない!! 読み終えてそう言ってしまうほど、ヒーローの桐谷くんがとてもカッコよくて、乏しいはずのキュンセンサーが全力で働きました。 キュンもたっぷりなのに、爽やかさもあり、表現がとても綺麗な文章。読みやすさと内容の素敵さに、ページをめくる手が止まりません。 素の自分を見せるのも、辛い過去に向き合うのもすごく勇気のいることだけど、ちゃんと見てくれる素敵な殿方がいれば、大丈夫。できるんです。乙女はなんだってできちゃうんです。恋の力はすごいのです。 照れ顔ナイトの桐谷くんと、一生懸命で鈍感な小夏。二人のこれからを想像するとニンマリほっこり。爽やかで素敵なお話をありがとうございました!!
美形やらエロボイスの上司やらに囲まれ、ドジを踏みつつ、けれど懸命に働く主人公。とあるキッカケで、社内のとある人物に、彼女のファーストキスが奪われてしまいーー もともと作者さんの文章の大ファンなのですが、今回のお話は男性キャラの魅力の描き出し方にグワアと胸が苦しくなりました。森崎さん素敵すぎるからちょっとストップをかけたいくらい。でも桐谷さんもいい。悔しいくらい良い。ミヤコちゃんも超絶可愛いですが、姉妹ラブもとっても癒されますが、とりあえず森崎さん…と、頭の中でループが止まりません。 恋愛にはもう悟りを開いた気分でいたけれど、実は素敵な男の人に包まれて甘やかされたいんじゃないかわたし、と不覚にも!自覚させられてしまうお話。布団を転げたくなるし、やっぱりギュギュギュッと愛と煌きが詰まった恋愛小説、大人にも必要だと思うのです。
ずっと夢中だった。これからもずっと走り続けていく。そんな希望に満ち溢れていた世界にいた主人公に、突然訪れた絶望。世界は、もう広がらない。そんな彼女は、あるキッカケで向かった屋上で、綺麗な顔の男の子と出会いーー 心が洗われて、不要なものが流されたあとに、素晴らしいものを容れてくれるお話。陸上の回想シーンでは、フッとレーンに引き込まれたように鳥肌が立つ。二人で星空を見上げる描写に、奥底が滲む。 最終章では、二人の心の綺麗さとひたむきさに、思わず涙が溢れました。最後の、二人で走るシーンが、読者である私に教えてくれます。 失って、それはもう戻らなくて、それでも世界は終わりじゃない。ちゃんと広がっていく。光が、ある。 昴と、真夏が教えてくれます。 そしてまた、私たちも、誰かの光になれることを。 綺麗な涙を流して、前を向ける。素晴らしいお話を、ありがとうございました。
普通高校生のひよは、同じクラスの綺麗な男の子、瑠樹亜のことが気になる。綺麗っていうか群れなくて、愛想をしなくて、失礼で、媚びなくて。気になるっていうか、もう超絶好きで。けれど、彼が抱えているものは、世界を終わらせたいと願うほど、大きなものでーー こんなに強く惹きつけられて、掴まれて、放してくれないお話に、久しぶりに出会いました。多大な筆力をお持ちの作者さんですが、練られた構成の中に散りばめられた、短く切られ、飾られず、感情をストレートに描いた言葉が、すごい勢いをもって胸に突き刺さる。読んでいる最中、動けなかった。ひたすらページをめくっていました。物語の引力を存分に味わえました。 痛みはあるかもしれないけれど、躊躇せず是非読んでほしい。最後に辿り着いてほしい。私は、このお話と世界が凄く凄く好き。この文章に何度でも心をぶつ切られたくなるし、何度でも救われに来たいと思う。
一番辛かった時。「ずっとそばにいる」。美輝には、そう約束してくれた幼なじみがいる。大切で、大好きで、いつしかそれは恋へと発展して、なのに彼は、別の可愛い女子と付き合いだして… まさかの展開に驚きながら、終盤。主人公と一緒に駆け抜けていくような感覚に、これぞいいよさんの疾走感!と、夢中でページをめくりました。 大切な人を笑顔にしたい。だから、そばにいたい。何かしてあげたい。いくらそう思っても、そばにいることを必要とされない。本音を、こぼしてくれない。 すごく切なかった。けれど、美輝がそんな自分の気持ちを押しとどめてまで、彼を笑顔にしてくれるモノを捜しに走った時には、キリキリと胸も喉も締め付けられました。 最後のシーンは、終わりの後の、新たな始まり。読み終えて、大切な人と星を見上げたくなる。そんな、爽やかで懸命で、素敵なお話です。
一言でいえば、男運がない。苦恋ばかりを繰り返すOLさとりは、見られてはいけない逢引の場面を、後輩の男に目撃されてしまいーー。 この作者さんは、たとえ世知辛い、一筋縄ではいかない大人のお話を書いても、柔らかさを失わないんだなぁ。三木くん、わたしも、さとりちゃんには敵わないよ。やられたよ。なんて優しくて、人をまっすぐ見て、包もうとできる子なんだろう。 いつの間にか好きになっていた。その表現ってとても難しいのに、このお話には、その不明確な現象が見事に描かれています。 読み終えて、作品を柔らかい力でフワッと抱きしめたくなって、こんなに優しい好きの気持ちを描ける作者さんに会ってみたいとさえ思える。作者さんの魅力が沢山詰まった、オフィスラブのくくりだけにとどめておくのがもったいないお話。ますますファンになりました。
高校生。好きな男子がいる。彼の一番仲の良い女子は、きっとわたしで。けれど、彼の視線の先は、隣で笑うわたしじゃなく。ふわりと髪をそよがせる、あの子。 大好きな作者さんの短編、何度目かの再読。強く、引き戻されるお話です。 夏の情景。背中にかいた汗。溶けてしまったアイス。もやもやとゆがむ、景色。夏の、あの日。思い出す。その場に立っているかのよう。短い青春の、一度きりの夏。 丁寧で落ち着いた文章なのにも関わらず、10代のあの時に一気に気持ちを引っ張っていってくれるから、本当に不思議。やっぱりわたし、この作者さんが書く文章が好き。世界がある文章が大好き。 キリキリと切なくて、ギュウと切ない。いろんな切なさを味わって、読み終えて、心にみずみずしい水滴をまとえる。素敵なお話をありがとうございました。