秋風月さんのレビュー一覧
体から始まる恋。よくある展開ではあるけども、ヒロインの柊華がとても可愛く、でも哀れで、いつも無表情な印南君が謎で、でも男らしくて、最初から最後までキュンキュンしまくりでした。 文句なしにおもしろいです。ぜひ、お勧めします!
意味深なタイトルと思って読ませていただきましたが、実際に意味深でした。深いです。軽快な会話と展開の中に、決して軽くはない事柄が、ギュッと詰められていると思いました。 結婚とは、離婚とは、友情とは、恋とは、男とは、女とは、人間とは、人生とは…… 様々な事に思いを馳せながら、一気に読ませていただきました。みなさまにも、お勧めします。夜読むと、眠れなくなるかもですが。
タイトルに興味を惹かれて読み始めました。 主人公はアラサーで小太りな女の子。男に逃げられ、傷心を抱えて故郷へ帰ったところから物語は始まります。 コミカルで、普通の恋愛小説と思いきや…… 怪しげな宗教や、同じく怪しげで魅惑的な男が現れ、物語は予測不可能な展開をしていきます。 ジャンルは恋愛になっていますが、内容的にはミステリー、あるいはホラーに近いと思いました。 よく練られたストーリーと綿密に張り巡らされた伏線。長編で読み応えはありますが、先が気になり短時間で読んでしまいました。 恋愛要素が少なめでも、しっかりとした文章をじっくり読みたいという方にお勧めです。
情緒的な女と理論的な男。年上好みの女と年下の男。文学を志す男とソムリエの女。 ミスマッチとも思える3組の男女の、それぞれの恋愛模様。それぞれの視点で語られる愛の結末やいかに…… オムニバス形式で3つの異なる恋愛模様がギュッと濃縮され、しかし丁寧に描かれていて好感が持てました。展開はスムーズで適度にハラハラ感もありおもしろかったです。ぜひお勧めします。
幼稚園教諭の萌は、悲しい過去を持ちながらも健気に仕事に励んでいた。そんな萌の前に突然現れたのは、7年前に彼女を裏切った元カレの邦章。邦章は、今や園児の父親であった。 保護者との不倫は厳禁。にも関わらず萌に言い寄る邦章。しかも、彼が言うには萌が邦章をフッた事になっている。憎みつつも、しかし邦章を拒絶しきれない萌。そもそも、既婚のはずの邦章の真意が理解出来ない。 ヒロインが健気で可愛く、先が気になって次々と頁を捲くりました。おもしろいので、ぜひ皆様もどうぞ……
OLの高橋小春は、口の悪い営業部長の真野千尋を恐れながらも、彼の仕事ぶりに瞠目し、いつしかそれは恋心へと発展していった。しかし到底叶わぬ恋と諦め、見ているだけで満足な小春だったのだが…… ほのぼのとした社内恋愛のお話で、とにかくヒロインの小春が可愛いらしい。その彼女の心の動きが丁寧に描かれ、無理のない自然なストーリー展開と相まり、とても読みやすい作品になっています。 ほんわか、ほっこりしたい方に特にお薦めしたい秀作です。
地味で根暗なOLと、彼女を執拗なまでに虐める同期の男。そして彼女に優しい妻帯者の上司。 なぜ女は頑なに心を閉ざすのか。なぜ男は女を虐めずにはいられないのか。一見心が通う事はないように思える男女の秘めたる思いを、相互視点で丁寧に綴った作品です。 特異な状況にも拘らず、リアリティのあるストーリーの展開と二人の心の変化に、ページをめくる手が止まりません。文句なしの秀作です。
病弱で儚げな少女ハルは、幼なじみのカナを11年もの間縛って来た事に気付き、カナを開放しようと決心する。ところが、それと同時にカナへの強い恋心に気付くのだった。 命を削ってまでもカナを突き放そうとするハル。一方、なぜ愛しいハルが自分を避けるようになったのかが解らないカナ。 すれ違う想いに苦悩する二人と、そんな二人を見守る友人達の多重視点で綴られた、切なくもほのぼのとした珠玉の感動ラブストーリー。文句なしの秀作です。 みなさまも、ぜひ読んでみてください。涙が止まらないかもしれませんよ。
探偵の正義が出会った少女は、不思議な目をしたこの世の者とは思えない美少女だった。 あげはというその少女に、一目で心を奪われた正義。ところが、正義の下であげはが漏らしたのは、正義ではない別の男の名前であった。 この少女に関わってはいけないと分かっていながら、それが出来ない正義。少女も、正義から離れようとしなかった。 やがて明かされる少女の正体。そして正義との関係。それを知った正義が下した決意とは…… 名古屋ゆりあさん ごめんなさい。 企画しておきながら、本当にごめんなさい。ようやく完読しました。 怖くて甘くて、両方の意味でドキドキしながら読ませていただきました。 秋風月子先輩ですが、たぶん私に近いと思います。特にお酒好きなところが。 (^^;;
労わり合い、仲良く暮らす四兄妹。 その中でも隼人と瞬(女の子)の関係は特別であった。それはもはや、兄妹という枠を超えていた。 ある事をきっかけに、互いの気持ちを確かめ合う二人。そしてそれを知ってしまった二人の兄。 運命に翻弄され、禁断の愛に悩みぬく隼人と瞬。そして最後に下した瞬の決意とは…… それは、愛するということへの、ひとつの答えであったのかもしれない。 心臓を鷲掴みされたように切ない、あまりに切ないお話です。 切ないお話を読みたい方には、ぜひお勧めしたい秀作です。
静まり返った夜のオフィスで、重なり合いながら響いてくる2つのキーボードの音。ひとつは雪乃のもの。もうひとつは…… 今宵もまた、雪乃の夢は夜に開き、そして夜に消えて行く。雪乃に、希望の光が当たる事は……たぶんない。 世の中には、祝福される恋と、そうでない恋がある。それを、禁断の恋と呼ぶ。 それは苦しく切ない恋。実る事のない、あるいは実ってはいけない恋。 そんな恋なんか、しなければいい。そう誰もが思うけれども、不意にそれはやって来る。抗しがたい魅力を秘めながら…… 咲彩乃さん 企画しておきながらすみませんでした。 読ませていただきましたが、とても切ないお話ですね。 そして何とも気怠い雰囲気がかもし出された、大人のお話だなあという印象です。 雪乃には幸せになってほしいですが、無理でしょうかね…… かなり感情移入してしまいました。(^^;)
高校生で秀才の曽根は、ある日同級生の向井を乱暴してしまう。衝動的に。 罪の意識に苛まれ、罰を覚悟する曽根だったが、向井はその事を表沙汰にしなかった。そればかりか、曽根の事を…… 曽根は、世の中でごく一部の頭の良い少年で、その意味ではリアルとは言えないかもしれない。そんな彼が、あまりに特殊な状況から初めて目覚めた恋。それを通して、彼が少年から青年へと成長する過程が描かれた作品であろうと思う。 それにしても素晴らしい文章。展開もいい。もはや携帯小説のレベルではないと思う。 じっくり読みたい人にぜひお勧めしたい秀作です。
ポッチャリ女子の鈴木さんと、ワイルド野犬男子の姉崎君の、面白くてほのぼのとしたお話です。 恥ずかしながら“マトリョーシカ”を知らずに画像検索しましたが、確かに褒めてませんね。悪口ですね。普通は。 でも……姉崎君は褒めたのかもしれません。いや、きっと褒めたのでしょう。 鈴木さんは姉崎君をイケメンとは程遠いと言っていますが、友達の発言が気になります。実はイケメンではないのかと。 また、鈴木さんはポッチャリだけど、可愛いのではないか。あ、それは確かにそのようです。 というような容姿が気になるあたり、やっぱり私は人間が出来てないのだろうな、と思ってみたり。 とにかく、おもしろかったです。お薦めです。
本編からずっと追って読ませていただいていますが、本作もおもしろかったです。 ほのかちゃん、あなたどこまで田所が好きなんですか? って感じで、ほのかがいかに田所が好きか、よーく解りました。はい。 そんなほのかちゃんになぜか田所は冷たい。ってほどではないけど、相手をしてくれない。好きなクセに。それはなぜか…… 私は冒頭からあるオチを予想しながら読み進めましたが…… ハズレでした。違うオチでした。でも、なるほどなと思いました。 とにかく、とってもおもしろかったです。続編を読ませていただくのが楽しみです。
本作は『わたしとあなたのありのまま 』のサイドストーリーで、主人公は悠斗の親友で女たらしの瀬那君。 ドスケベで来る者拒まずの瀬那君でしたが、ある日下級生の可憐な少女、紗恵に出会い、すっかり調子を狂わせる。そして、今まで経験した事のない感情が、彼の中で芽生える。 ところが、紗恵にはある隠し事があり、幸せな日々は長くは続かなかった。その隠し事とは…… 本編では軽薄な印象の瀬那君のお話だけに、正直あまり期待しないで読み始めたのですが……いい意味で裏切られました。まさか泣きながら読み進む事になるとは思ってもみませんでした。 とてもよいお話なので、みなさまも、ぜひ。お薦めします!
前作はほぼラブコメでしたが、本作は一転してシリアス。と言っても、楽しい文章と語り口は健在です。 せっかく想いが通じ合ったほのかと田所なのに、本作ではジレジレしてややドロドロ。ハラハラしながら読ませていただきました。 思えば、それは二人に与えれた試練であり、それを乗り越える事で愛や信頼が深まって行くのかな、なんて思いました。 更に続編があるようなので、楽しみつつ、反面ビクビクしながら読ませていただこうと思います。 みなさまも、ぜひ。
ヒロインの秋山ほのかは、コンビニのバイトで田所悠斗と出会う。そして子どもに優しい彼に一目惚れ…… 偶然にも田所悠斗が同じ高校の同級と知るも、彼には一級先輩の美人な彼女がいる事を知る。そして性格が悪いという噂まで…… しかしほのかの気持ちは変わらない。あくまで真っ直ぐに彼を想い、それを隠すこともしない。 「俺を奪えばいい」 そう言われて途方に暮れつつも希望を抱くほのか。果たしてほのかの気持ちは彼に届くのだろうか…… とにかくヒロインが可愛い。彼も謎めいていて魅力的。そして文章が軽妙で楽しい。 ぜひお薦めしたい秀作です。
特別養護老人ホームで過酷な業務に就くヒロインの薬師丸は、美人なのに男運に恵まれず30近くで独身・彼氏なし。 そんなヒロインは、顔以外は完璧イケメンで年下の同僚、米山くんが気になってしょうがない。 しかし無口な彼は何を考えているのか分からず、ヒロインの想いは行き場のないまま徐々に膨らんで行く。 恋に鈍感な二人の、じれったくも甘い恋物語。 男は顔じゃない! かもしれないな、と思わせてくれる素敵なお話です。
一人称のような三人称のような……。独特な語り口で描かれるヒロインの璃子がなんとも可愛らしい。 寡黙なのに強引な南朋に翻弄されつつ、彼にどんどん惹かれていく璃子。恋愛初心者の璃子の、その恋の行方は…… 軽妙な文章と先が気になる展開で次々とページをめくって行く。そんな魅力ある作品です。また、章タイトルがストーリーを表していない事に驚きつつ、作者様のユーモアに脱帽しました。 ただ欲を言えば、後半が少し詰め込み過ぎというか、その割りにはしょり過ぎというか、やや不満なので星4つとさせていただきます。 とは言え、面白い作品である事は間違いなく、作者様の今後に大いに期待します。 ※「小話」の追記で補足されたので星5つに訂正いたしました。