水瀬由仁さんのレビュー一覧
人として、仲間として、大好きで尊敬できる身長差1センチの大切な同期。 ……でも彼のふとした言動にドキドキしたりちくりと胸が痛んだり。この気持ちは、なんだろう。 普段は気の置けない仕事仲間。だけど恋愛のこととなると鈍感で不器用。それでも必死に相手に寄り添おうとするふたりがたまらなく愛しかったです。 1センチ。ふたりの距離は、本当は最初からたったこれだけだった。でもだからこそ真正面から向かいあって。しっかり手のひらで包み込んで。絶対に落として壊してしまわないように。 珠綺ちゃん、伊瀬くん、たくさんすれ違ってたくさん悩んだけれど、最後はちゃんと、届いたね。タイトルの意味がわかったときはもう、ふたりをぎゅーっと抱きしめたくなりました。 スピカのみんなが大好き。みんなを生み出してくれたメルさんが大好き。 優しさに溢れた一等星が、どうか幸せに輝き続けますように。
いつも豚しょうが焼き弁当を買っていく赤いツナギの男の人。その人にどうしようもなく惹かれて。偶然見た彼のバイクに乗る姿に憧れて。 今までまったく接点がなかった新しい世界に、一歩踏み出すこと。緊張するし不安もあるけれど、きみがいるから。きみが嬉しそうに笑ってくれるから、よし頑張るぞ、って。 そのあったかくて幸せな気持ちが、あたしの原動力になる。 真白ちゃんがもう可愛くて可愛くて、このぶれない真っ直ぐさが大好きです。 私もバイクのことは全然わからないから、一緒に勉強してる気分。バイクショップでのお買い物にドキドキしたり、教習の場面でぐっと手に力が入ったり。(クランクで曲がるときになぜか私も身体が傾いてしまった!) 恋ごころってこんなにも人を動かしてくれる。いいなあ。真白ちゃんと光太郎さんのタンデムやツーリングを想像して、ふわーっと頬が緩んでしまう。そんな素敵なお話です。
17歳。たった17年間の歩みの中でも、大声上げて泣いたほどの後悔や胸の中に閉じ込めていた想いの理由はみんな違う。 青春というのは苦くて、甘酸っぱくて、ときには塩辛くて、脆くて、理不尽で、眩しくてきらきらしてる。 そんな日々を精一杯駆け抜けて、どこかで失敗してしまってもいいと思う。過ぎ去ったからといって、忘れてしまわなくてもいいと思う。 思い出っていつもきれいなわけじゃないけれど、こんなに愛おしいんだ。大切なんだ。涙が出るんだ。ページをめくりながら、もうずっと前に過ぎてしまった17歳の頃に思いを馳せました。 もう子どもじゃない、けれど大人にもなりきれない。もどかしくてたまらない、けれどかけがえのない日々が、私たちにもきっとあったのだと。 彼らの愛するショパンを聴きながら、私も一緒に彼らの未来へと泳いでいきたくなりました。 素敵なお話をありがとうございました。
永遠なんてこの世にはないのだと、僕たちは知っている。 知っているからこそ、脆く不確かな“今”を大切にしたくて、僕たちは少しだけ臆病になる。 風に向かう風見鶏がふと振り向いたとき、世界はどんなふうに見えるのかな。 僕の一歩を踏み出す勇気は、世界をどんなふうに変えていくのかな。 不思議な夢の中で風見鶏が語りかけてくる言葉は、胸の内をふわりとなでて、奥に沈んでいたもやもやを浮かび上がらせ、ひゅうと吹き飛ばしてくれる。 爽やかで清々しい。でも噛みしめながら深く深く味わってみてほしい。そんなお話です。 今いい風吹いてるよ。ちょっと振り向いてごらんよ。 景色はきっとあなたにも、きらきら優しく見えてくるはず。
ビターチョコには、少しの涙ときみへの優しい想いを込めて。 ミルクチョコには、とろけるくらいに胸が高鳴る甘いシロップを溶かして。 叶う恋も破れる恋もあるけれど、好きな人を思って作ったチョコレートはやっぱり特別。たっぷり詰めた恋心は、甘くもなり苦くもなり、今日も誰かの心に届いていくのでしょう。 可愛らしくリボンを結んで、ほっこりあたたかく包み込まれたそれぞれのバレンタイン。どうぞご賞味ください。 あなたのお気に入りは、どのチョコレートですか?
今までずっと一緒にいた。これからもあたしたちは変わらないと思っていた。 「──芽衣子」 きみにやさしく名前を呼ばれて、瞼をとじた3秒後。 きみが笑った。 世界が、変わった。 *** 一緒に過ごした時間は、他のみんなよりは少しだけ長いかもしれない。でもまだまだ幼なじみ未満。そんなふたり。 桜餅とコーヒーのあたたかな香りに包まれて。きみと見つめ合った新しい世界は、きっと何よりも眩しくて、何よりも愛おしい。 トモダチから、恋への一歩。 ほのぼのとした中にたくさんの優しさがつまった、素敵なワンシーンです。 ぜひご一読ください。
祭囃子の中に香る、甘く切ない金木犀。 会いたいよ。 でも言えないよ。 涼やかな風が、そっと頬を撫でていく。 頑なでつよがりな、わたしの心を解かしながら。 待ち焦がれた、あなたのぬくもりを探しながら。 *** 近すぎると見えなくなる。 離れすぎていても見失ってしまう。 会いたい、と素直に言えないくせに、結局ひとりで抱え込んで悩んでしまう。 心の中に閉じ込めてしまった思い。その蓋を開けるのは、とても勇気のいることだけれど。 でもきっと、彼も同じ気持ちでいてくれるから。 お互いに、誰よりも会いたい、って思っていたはずだから。 危うい恋に胸が詰まり、 そして金木犀の香りにふわりと包み込まれるような、やわらかく優しい読後感にほっこり。 秋の夜空にそっと染み込む、素敵なお話でした。