二十歳で結婚した主婦の恵玲奈。
寛大だけど無干渉な夫に広い家に可愛いペット。
だけど友達には恵まれず、いろんなことが未体験のまま。
誰かとでかけて水族館に行ったり、友達と騒いだり、本気で人を好きになったり――。
欠けていたそんなごく当たり前の日常を大学生の泉水が埋めていく。

それは誰の目に触れてもちっとも汚くなんかなく、なるべくしてなっていった二人の関係。

内容に反してすごくピュアで綺麗な物語です。
二つの「さようなら。」に読者の心は震えるでしょう。
素晴らしい作品に出会えました！

ショパンの旋律が時代を超えて、人を繋ぎ、安らかな場所へ導いていく――。

奇跡が生み出した天使のようなシオンはまさに音楽の神に愛された子。

彼に関わるべくして出会った主人公もまた彼の人生を変え、同時にたくさんの愛に気づかされる。

＊＊＊

誰かを想い曲を奏で、また別の誰かがそれに触発されてそんな弾き方を受け継ぐ。

それはまるで幸福の連鎖。
そして生き方と同義。

誰かのために何かを賭けて優しく生きる。簡単なようでだれもができるわけじゃない忘れていた大事なものを思いださせてくれる作品でした。

――人の想いの何と熱いことか！

この一文に揺さぶられ、歓喜し涙しました。


THX 4 lots of love...

呪われた町――シャッデンブルク

そこはこの世界でもっとも愛に溢れた場所だった。

人間と悪魔。互いに住む世界の異なるティアナとアンドラス。

初めは支配者と被支配者。けれど長い長い時を経てその関係は深い愛へ変わる――。


それでも何から何まで違う二人、自然の摂理という名の溝は埋まらない。


愛し合う二人は引き裂かれ、何百年もこの世とあの世の狭間をさまよう――。


＊


こんなに愛に溢れ、涙し感動し、なにより面白いお話に出会えたことを嬉しく思います。

スケールが大きく、読み手の予想をはるかに上回る展開に夢中になって読んでしまうことでしょう。

そして最後にはきっと必ず涙します。

素晴らしい作品です。


to.
little angel n damons,with love...

――時は明治。

宿命に従うしかなく瞳に憂いを含ませながらも、それでも明日へ向かい生きて行かねばならない女たちの姿。

夜毎、不浄を耐え抜きながら脳裏にはそれぞれの愛しい人を儚いまでに想う――。

揚羽、珠喜。同じ籠の中に居て、お互いにお互いを見る強き絆と、二人の「孤独を恐れ愛を求めた」酷く歪んでしまった人生の末路。

他人の目には非恋としか映らなくとも愛しい何かを守るため、不器用に生きた彼女たち。


―――――


揚羽、珠喜、遙、瑪瑙。

それぞれに皆、不思議と妖艶な魅力を持って読み手を惹きつける登場人物たちです。

巧みな文章に魔法をかけられ吸い込まれ、タイムスリップしたような感覚を得られるでしょう。

切なく涙しても後味の良い香りが残る作品です。


Mr.F