子供の頃憧れた少女マンガは、そのままの君がいいよ。とそっと抱きしめてくれる男の子が主人公と恋をするもの。 子供の頃好きな少女マンガの男の子は、クラスのヒーローより二枚目役のクールなイケメン。 子供の頃よく聴いていたラブソングは「あなたをひたむきに愛します」って繰り返し歌ってるものか、「離れていてもずっとあなたを想ってる」みたいな今じゃちょっとストーカー的発想の曲。 子供の頃よく描いた妄想は、雪の降るイルミネーションを見ながら彼氏と手を繋いで、その繋いだ手は彼氏のコートのポケットの中。 まぁ、あくまで子供の頃の回想に過ぎない。 少し前まで12歳前後だった私は、いつの間にか社会人になってしまった。 昔はよかった。 夢だけ見ていれば幸せになれた。 空想だけしていれば、満たされていた。 今は手に入らないものの虚しさを学習してしまった。 ありえないことを空想することは地に足がついていないことだったんだと悟ってしまった。 夢を見れていた12歳に戻りたい。 あぁ昔はよかった。