絵の具を零したように 真っ青な空の下 透き通るように白い肌 驚くほど、綺麗な男の子 「王子様」って言葉がピッタリな 他校の制服を着た彼が 「二度と女の前に 出れねぇ顔にしてやろうか？」 えぇええ!? 柄の悪い 不良に捕まってる!? ヤ、ヤバい！ イケメンは絶滅寸前だから 助けなきゃ!! ……って、思ってたのに 「は、離して……っ!!」 ちょ、あたしも捕まりました。 もうあたしの役立たず～～!! って、あれ……？ 「ボクの好きな子に 手出すなんて キミたち良い度胸してるね」 そう言って 口元の血を拭った彼は 余裕そうに 微笑んだ。 　

　 周りのみんなが噂する 男子も　女子も そんなあいつは 隣の女子校に通っていて スタイル良いし目立つし 髪が長くて端正な顔立ち だけど謎が多いらしく 他校のオレたちは名前くらいしかわからない ……とか言って オレは名前以外も知ってるけどね だってほら、あいつ…… 　 ＊天然クールな社長子息＊ 橘祐都 (たちばなゆうと) ＊祝・庶民歴16年＊ 七原茅乃 (ななはらかやの) ねえ、どうしてあんたは そんな顔するの？ もしかしてオレのこと 誘ってる？ でもダメだよ オレは有料なんだから