カラフルに色付いていた毎日が
時の流れと共に色褪せて見えて。
そんな時に年々、会話も少なめの夫から
突然の誘いーーー
「花火、観に行こうか?」
この一言から物語は始まります。
色褪せたと諦めつつあった毎日が
彼からのこの一言により再び色づき始めます。
けれど読み進めるうちに気付きます。
色褪せたと思っていた毎日は
気付けなくなっていただけで
何一つ変わっていなかった事に。
あの日、あの時の彼との思い出が
鮮明に心に記されている事を。
再び二人の頭上にある
星天に輝く色鮮やかな花火のように。
この物語にも少し登場する
主人公達の娘のお話「明日も晴れ」と
そして花火を題材とした
タイトルに「星天」を含む
他作品も合わせてお薦めします。是非。