春音優月さんのレビュー一覧
すぐに死ぬ病気じゃない。だけど、完治は難しいとされる病気にかかっていて、生きるのが辛い。もしも、健康で短い人生か、病気で長い人生か選べるとしたら、私はきっと......。 主人公は、そんな出口の見えない辛い思いを抱えている女の子。彼女が恋をしたのは、不良だと思われているけど、本当はすごく優しい男の子。 どうしようもない辛さを抱えながらも、必死で生きるふたりに、私はたくさん、たくさん勇気をもらいました。 そう簡単に奇跡が起きないのが人生だけど、時に奇跡が起きるのも、また、人生かもしれない。 たくさんの勇気と生きる力をくれる作品です。
愛情よりも、お金と地位の方が信頼できるから、愛はないけど、父のすすめる人と結婚してみます。 と思ったんですが、やっぱりこの人、生理的にムリかも......。 結婚から、この生活から逃げたい。 何か逃げたいような重大な理由がある人はもちろん、そうでなくても、ふと逃げたしくなるときって、ありませんか?そんな時に誰かが連れて逃げてくれたら......。 お金は大事だけど、地位も名誉も捨てがたいけど、愛情なんていつか冷めるけど。 だけどやっぱり愛はほしい! そんなワガママ?な欲求を満たしてくれる作品です。 日常から離れたい気分の方、スリルを味わいたい方、オススメ! テロリストに狙われたことから始まる、スリリングでロマンチック、異色の大人ラブです。
この物語をとても現実味のあるものに感じたのは、ある意味小さな社会の縮図を表したかのようなスクールカーストの存在だと思う。 クラスの頂点に立つ人、感情を自ら捨てて傍観に徹する人、あえて目立ないように下の方で生きる人。 交わるはずのなかった四人の関係が、ロボットという異質な存在が加わることによって変わっていく-。 感情がなければ傷つくことも、傷つけることもない。 だけど......。 心があるから、誰かを大切に思うことができる、唯一になれる。 ハッピーエンドかと聞かれると答えにくいような気もするけれど、私にはこれが最高のハッピーエンドであるように思えました。 大切なことをたくさん教えてくれる物語、本当に深いです。シリアスで切ないけれど、独特の空気感にハマりました。 ぜひたくさんの人に読んで、この物語に触れて感じて、そして考えてもらいたい物語です。
この物語のヒロインは、王道の守られ系ヒロインではなく、戦うヒロイン女性SP。先輩SPに初対面からプロポーズされたり、仕事面でもトラブルがあったり、彼女のSP人生は波乱続き。 なんでいつも強引なことばかりするの? 何を考えてるか分からないヒーローの謎が、最後分かった時には驚きましたが、今までの彼の行動に納得しました。 途中までの何を考えてるか分からないミステリアスさにもドキドキ(ハラハラ)しましたが、真相が分かると愛情の深さにさらに彼のことが好きに。 戦う強いヒロインは、恋愛なんて興味ない、ように見えるけど、本当は女性らしい部分があってすごく好きです。強がりなヒロインが時折見せる弱い部分が可愛い。 SP×SPのラブロマンス、それから記憶にまつわるミステリーに、爽快なアクション!本当に楽しい! やっぱりSPシリーズはどれを読んでも面白い、夢中になって読めるオススメのシリーズです。
かぼちゃが好きで、女嫌いで硬派な星くん。 プリンが好きで、お嬢様で天然な皐月ちゃん。 そんな二人が、かぼちゃプリンを同時に手にとったことがきっかけで、中身と身体が入れ替わってしまった!? 中身が入れ替わったまま、それぞれお互いのふりをしながら男子校と女子校に通う二人。 仲良しカップルも巻き込み、自分の体に戻る日までとあるひとつの目的を持ちながら奮闘するドタバタ学園ラブコメディです。 普通の学園ものと大きく違うのは、まずイケメンヒーローが女の子の体ということです。それがクスっと笑えるとこでもあり、見た目は女の子なのに男気を感じる星くんには要注目。 お互いの体にに入ることで、中身も成長していく二人をぜひ見届けてみてください。
面倒だから、やめちゃおうかな。そこまでこの仕事が好きなわけじゃないし。でも、運命の人と会えるなら続けてもいいかも? 仕事に対してやる気のなかったはっちゃん。 鬼店長に教育されて変わっていく、恋愛とともに成長していく姿にも好感が持てるストーリー。 恋に落ちた瞬間。 あなたと目が合った時、それからそれから......。 仕事と、それから恋。 成長していくはっちゃんを応援しているうちに、恋する瞬間を見つけて、ドキドキ。 仕事内容もしっかり書かれていて、読み終わった後にはメガネに少し詳しくなって、思わず新しいメガネがほしくなってしまいました。
第一部よりもパワーアップした新撰組×ファンタジー、第二部! 史実をもとにしながらも、ファンタジー風にアレンジしたオリジナル要素を加えた歴史ファンタジー。 新撰組好きな方は、もちろんおすすめ。史実をただなぞっただけではなくファンタジー風のこの作品は新鮮な気持ちで読めると思います。 幕末、新撰組にあまり詳しくなくても、ラブファンタジーとして楽しめる。 もののけ、人間。幕府...... それぞれ志の違うものは、戦うしか道がないのか?読んでいると切なくなって、あの時代に必死で戦っていた人たちに思いを馳せずにはいられませんでした。 大きく時代が動いた幕末。 新撰組の行く末に最後まで目が離せません。
失恋した日に、新しい恋をした。 あざといけど可愛い10コ年下の彼に。 可愛いけど、ちゃんと男らしい部分や頼れるとこもある年下彼氏に終始ドキドキしっぱなしでした。年上彼女も大人の女性なのだけど、すごく女の子の部分がある女性で可愛い。 甘くてふわふわで、まるでお菓子みたいな恋。 さらっと読めてキュンとできる。 だけど甘いだけじゃなくて......。 立ちはだかるのは、やっぱり年の差。 二人は乗り越えることができる? 年下だから、年上だから、好きになったわけじゃない。あなただから好きになったんだ。 読んでいてワクワクできて、元気になれる作品です。
バスケ部のマネージャーをやることになった、コンプレックスだらけの女の子ちーちゃん。 それから、バスケ部の縁の下の力持ち、泰ちゃん。 個性的なバスケ部メンバーやちーちゃんの親友に比べたら、二人は目立たないタイプかもしれない。本来なら物語の脇役である存在の二人が、この作品では主役。 恋愛もなかなか進展することもなく、どこまでも不器用な二人。 けれど展開に退屈することもなく、じれじれするような恋に夢中になり、脇役であるはずの二人、また周囲の人がとても魅力的に描かれていました。 主役にはなれなくても、脇役にも役割がある。コンプレックスだらけでも、自分が思うよりも本当は魅力的かもしれない。 誰もが一つくらいはあるだろうコンプレックスを、ドロドロし過ぎずに、さわやかに描いたとても共感できる作品。
元バスケ部、現在不良(見た目は)、何でもそれなりにこなす高校生レン。男子の憧れリッコに出会ったことにより、再びバスケの世界へと引きずり込まれていく。 高校生三人+社会人一人、それぞれの事情により一度は大好きなバスケから離れた彼ら。 けれど、以前とは違う形でも、それでもやっぱりバスケからは離れられなかった。 青春は綺麗で楽しいだけじゃない。 時に辛くて、かっこ悪くて、苦しいもの。 それでももがいて苦しみながらも、夢中になれるものを見つけ成長していく彼らは最高にかっこいい。 鳥のように高く飛べる翼がなくても、本当は誰でも飛べるのかもしれない。 自分らしい、それぞれの方法で。 キラキラと輝くロマンティックな彼らの青春が目の前に見えるようで、夢中になって読みました。 たくさん笑えて、たくさん泣ける。 読み終わった後には、きっと自分自身の青春を探したくなる、幅広い年代の方におすすめの作品。
霊的なものにとりつかれやすい体質の主人公、美心。内気な性格と特異体質のため、苦労も多いし友達もいない。 もうこんな人生嫌です、誰か助けてください! すがる思いで召喚したのは、なんと歴史的有名人物天草四郎と妖怪。 イケメンとの甘い生活と戦いの中、気づいたこととは? 人を救ってくれるのは、神様のような特別な存在なのか、それとも......。 神様がいたとしても、いなかったとしても、 特定の信仰がある人も、ない人も。 その人にとっての信じられる存在とは、生きる上での心の支えとなるのではないかと思いました。それが神様という存在であれ、身近な人であれ。 主人公の美心や四郎が、自分自身で見つけた信じられる存在とは? 人間は弱くて醜い部分もあるけど弱いからこそ、守るべき存在、信じられる存在がいるとき、強くなれる。 心が温かくなる、おすすめの作品です。
高校の学園祭で、食中毒事件を出してしまったきのこ部。 事件により、きのこ部は廃部に追い込まれそうになるけど......? きのこ部の責任なのだろうか、それとも? きのこ大好き、きのこのことなら彼にきけ!イケメン教授が、きのこ探偵として立ち上がる! とにかく、きのこ愛を感じました。 大変な状況なんですが、どこかほんわかした雰囲気のある楽しい作品です。
夏休みに沖縄に行くことになって...... それぞれに魅力のあるイケメン三人組と過ごすひとなつのラブコメ。 主人公の女の子もイケメン三人組も個性的で、みんなの掛け合いが面白くて、テンポが良くて最後まで楽しく読めました。 イケメンたちとの甘い時間もあったり、沖縄のことを学ぶ時間もあったり。終始、ゆっくりとした温かい時間が流れていました。 たった一ヶ月?それとも、一ヶ月も? 一ヶ月のことですが、一ヶ月とは思えないくらいに、ぎゅっと濃厚な時間が詰まっていました。 読み終わる頃には、沖縄のこと、みんなのことが大好きになってしまうような、そんなお話です。