本当は好きなのに、自分の気持ちを隠して鉄壁の仮面を張り付けている阿美子。そして、そんな阿美子の気持ちに全く気付いていない怜。
気づいていないからこそ、怜は阿美子に偽装結婚を持ちかける。

ほんの少しでもそこに愛があるなら…と、微かな想いから受けた阿美子だけど、そのことによって、怜の何気ない一言に傷ついていく。
誤解とすれ違いによって、お互いがお互いのためを思っていう言葉で傷つけあっている姿は、読めば読むほど切なかったです。
偽装から始まったことにより、お互いの気持ちを知ることもなく、だからこそ、その真実を知らずに傷つけあっていく。ほんの少しの糸を紐解くだけで、すべてがうまくいくのに、それができないことが、読んでいてもどかしくて切なかったです。

これまで仕事一筋に生きてきた奈央は、恋もおしゃれも結婚も犠牲にしてきた。ただ、まっすぐに真剣に目指すのは、料理人の道。
そして、そんな奈央が出会ったのは、巨匠と言われた素敵な男性シェフだった。

大人のただの恋愛感情だけではなく、仕事や日常の不安や感情の変化がリアルに描かれている作品でした。
まっすぐに純粋な気持ちで向き合う、奈央。そんな奈央の姿に、今の自分の状況に違和感を感じていた司はどんどんと惹かれていく。だけど、上司と部下という関係が、大人である二人だからこそ、自分の気持ちを抑えようとしていて、大人だからこそ、難しい恋愛というものを感じました。
その中で、出てくるレシピの盗難という事件。
ただのラブストーリーというだけではなく、事件も絡ませての読み応えたっぷりの作品でした。

本当は美人な美苑は、過去のある事情により、素顔を隠して働いていた。
だけど、週の何日かだけ、母親の店でホステスとして素顔を晒し、手伝っていた。そんな美苑の前に、美苑の会社の新社長がやってくる。素顔で接客する美苑は、その新しい若社長に気に入られてしまい……

ありがちなストーリー展開ですが、なぜでしょう？とても、面白かったです。
展開もとても速く、二人の視点で描かれていることもあり、二人の心情がよくわかりました。
ただ、もう少し、ストーリーに展開があってもよかったかも。美苑の過去を傷つけた、先輩とのやり取りが、意外とあっけなさ過ぎて、もう一波乱あっても……というのは個人的な意見です。

まだ、先が続きそうな展開なので、ぜひとも続編もよみたいと思います。

かっこよく頭もいい一つ年上のお隣の幼なじみ。成長するにしたがって、疎遠になっていたのだけど、ある日偶然再会したかと思ったら、思いっきりからかわれた。だけど、その日からやたらと彼と会うこととなるのだけど――…

元カレとの再会が引き金となり、ある事件により、ミミは湊への気持ちを確認していきます。二人の縮まっていく距離と共に、湊の本当の気持ちや、オネェたちの登場でシリアスになるかと思うストーリーは、それほど重くなることもなく、スッと読み込めます。
実はミミのことをずっと守り続けている湊の愛の深さに感動します。

もっともっと、二人のこれからを読んでいきたいと思える作品です。

婚約破棄から始まり、本当の恋を知り、突っ走る女性のお話。
はじめは、少し暗いお話なのかと思いました。こちらのお話と同じシリーズのものが、どちらかというとシリアスなストーリーだったために。
ですが、そんなこともなくすごく楽しく読むことができました。
ただ、シリーズ作品の先の２作品を読んでいたために、どうしても優斗をよく思えなくて――…
それが、個人的には少し残念です。
また、優斗のお母さんも。
もっと、素直な気持ちで読めたらよかったな…と思いました。

ファンタジーだけど、ファンタジーらしくなく、それでいて読み終わった後、すごく心が温まる。
不倫をしていた美園は、恋愛に対していまいち本気になれない。本気だと思っていた恋も、いつの間にかその気持ちも急激に冷めてしまう。それが、美園の恋愛だった。そんな美園の前に現れた、不思議な青年。
いきなり現われては消える、不思議な彼に、美園はどんどんと惹かれていくのだった。

読めば読むほど、運命としか思えない関係の二人。
でも、それはあながち二人を繋げるものとは限らない。
不思議なストーリーなのに、読み終わった後、とても幸せな気持ちになりました。

前作では恋を知らない優子が結婚し、そこから旦那様である拓斗へと恋をしていき、本当の夫婦になる話でした。
だけど、今回は、夫婦になってからの二人の悩みや些細な思い違いなど、夫婦にとっての問題が出てきて、とても温かい気持ちになりました。
そして、お互いがお互いをもっと想い合っている姿も伝わってきて、全体に甘い作品に仕上がっていて、とてもよかったです。

恋をしたこともない１８歳の女の子が結婚する、ちょっとありえない不思議な設定のラブストーリー。
政略結婚のため…なんていう設定だと幾度となくありますが、そういうものもなく、結婚し、そこから恋をするのか、しないのかと始まる展開に、先が全く読めずに、ドキドキしながら読み進めました。

今まで恋をしたこともない優子がイケメンで年の離れた社長である拓斗と不器用な二人だからこそ、回り道をしながら、ゆっくりと近づいていくストーリーが読んでいて、心地よかったです。

突然のプロポーズ。
そして、そのプロポーズを受けないのなら、待っているのは別れ。
だけど、まだ高校生の雪乃にはそのプロポーズを受け入れることができなかった。
気持ちはあるけど、先のことを考えたことからのことだった。
頑なに、その理由を教えてくれない珊太。
意味の分からない雪乃。
その頑なな理由が、すべてのストーリーにかかわってきます。
とても素敵で、尚且つ、ほんの少しの裏切りと温かさを読み終わった後に与えてくれました。

身近にありそうなストーリーをクリスマスにかけてある作品。
ちょっとした悩みやすれ違い。
嫉妬に疑念…と誰もが付き合っていく中で感じる体験も書かれていて、スッとストーリーに入り込めました。
そして、外見からは決して気づかれない実は経験がないという事実も、また面白くて――…
面白すぎるストーリー展開に、読む手を止めることができませんでした。
とても、面白く素敵な作品でした。

お互い両想いなのに、実は優しいけど、無愛想なために女子に人気のない彼氏。
だけど、容姿は抜群で、恐らく本当は優しい中身を知ってしまうとみんな好きになってしまう。
そんな不安を持っている桃嘉。そして、桃嘉のことが好きなのに、その気持ちを素直に表すことができない不器用な蓮。
そのせいで、二人には誤解がたくさん。
おまけに実は優しい蓮は、他の女の子のこともほっとけない。
そこに恋愛感情はなくても、優しくする蓮を見て、不安になる桃嘉の心情がとても、読んでいてつらかったです。
無駄に優しすぎるのも、罪ですね。

楽しく読ませていただきましたが、ハラハラの連続だったのも間違いありませんでした。

女癖の悪い、浮気しまくりの彼氏を見限って、前に進もうとする芽依。
だけど、実際は自分から振ったはずなのに、傷ついたのは自分。

前に進むために別れたはずが、何度となく関わる海斗。
そして、新たな恋を始めた芽依はまたも、傷つけられることに――…
あまりにも切なすぎる展開の連続に、読むのが苦しいほどでした。
これでもかというほど、傷つく展開の連続で、主人公である芽依が可哀想すぎました。
だけど、最後は幸せになれてよかったです。

人付き合いの苦手な雪乃は、クラスでも浮いた存在。
そんな雪乃は校舎裏で一人過ごすことが多かった。そこにやってくるのは、校内でも有名なイケメンの先輩。
偶然の出会いは必然だった？
突然出会った先輩は、雪乃に恋愛相談を持ちかけてきて……

本当は心優しい雪乃。だけど、人付き合いが苦手なせいで冷たい人間だと誤解されている。
それは、どこでもあることで、そんな雪乃の本当の姿に気づいている夏輝先輩。

二人の穏やかな校舎裏でのやりとり。
そして、実は一途な先輩の想いなど、ほんわかゆったりと進んでいくストーリーが素晴らしいです。

前作では、恋が始まり、そこから結婚への間のドタバタ劇でしたが、今回は結婚してからの苦悩や、より一層深くなる二人の関係が綴られているストーリーとなっていました。

前作と変わらず、ところどころに散りばめられる、万年筆やインクを通してのやり取り。
それは、まさしくブルーブラックらしい表現で、別に特別甘いシーンではないのに、二人の万年筆やインクを通してのシーンは、とてもドキドキさせられます。
前作と変わらず、隅々まで念入りに練りこまれた設定や文章。また、文具に対してのこだわりが、とても丁寧に描かれていて、読んでいると、自分も自分のための特別な一本が欲しくなってきました。

温かく、それでいて感慨深いとても素敵な大人のラブストーリーです。

偶然遭遇してしまった、アクシデント。
そこで、亜豆は学校一のイケメンの青弥の秘密を知ってしまう。
ほとんど、脅される形で彼女の地位を手に入れてしまった亜豆。
平凡な日常を望んでいた亜豆には迷惑でしかなく――…

ありがちなストーリー展開なのに、なぜかストーリーに惹きこまれていきます。
それはキャラが面白いのと、意外と青弥の亜豆を大事にしているところだと思います。

スッと読めて、尚且つほんのり笑えるストーリーに、とてもたのしかったです。

前作の終わりで、遠距離恋愛へと突入した百花と慶太郎。
この先、二人がどのようになるのだろうと思っていたのですが、その先のストーリーが読めて、すごくうれしいです。
前作では、少し逃げ腰だった百花。だけど、今回はほんの少し強くなり、一つ一つのことに対して、一生懸命立ち向かう姿がとてもよかったです。
逆に、慶太郎はそんな強くなっていく百花に隠れるようになっている気が………
それでも、百花を溺愛の慶太郎に読んでいて楽しかったです。
二人をもっともっと読んでいきたいと思える作品でした。

前作では、主人公だった亜豆と青弥のラブストーリーが主で、そのそばで展開されていた友達の佑と光の話はどうなのだろうという感じで終わっていました。
だから、そんな二人の恋のストーリーが読めて、よかったです。
また、亜豆と青弥のその後も読めて、とても面白かったです。

相変わらずの四人に読んでいてほっこりとしました。