本当にたくさん泣かされました。
前半は、美琴のドアマット具合に泣かされ、更新が無い日は何度も読み返しては泣いて、を繰り返し。

けれど途中からは、一希の境遇に涙が。
秘密が気になって、色んな仮説が頭に浮かび、必死で謎解きしましたよ。本当は彼こそが一番つらい境遇なのでは、いずれ全て失うつもりで千夜子も会社も守っているのでは、と思った時は応援せずにはいられませんでした。

慧も真直ぐで頼りある素敵な男性だったけど、彼と一希の差はその家庭環境にあるのかなと思います。健全な家庭で、愛されて育った。だから他者を気遣う余裕もある、健全な心の持ち主。きっと素敵な恋人を見つけて幸せになれる人だなと思いました。

素敵なお話をありがとうございました！
これからも応援しています。

柔らかな物腰は表面上の優しさで、実は根っこは意地悪な……という二面性のあるヒーローかなと思ったのですが。
話が進めば進むほど、ヒーローの底知れない優しさに心を打たれます。ヒロインに向けてだけでなく、自分に纏わる人に優しい。情に熱い。それゆえに、家族としては恵まれない環境にも、人知れず耐えて来た人。
最初、ヒロインに対してはかなり強引で当然ヒロインは狼狽えるばかりなのですが。ヒーローに少しずつ心を惹かれていく過程が丁寧に書かれています。
こんなぐいぐい来られて、優しいけれど独りよがりなのかと思ったら実はどこまでも暖かい人。そりゃ惚れますよ。ヒロインと一緒に恋に落ちてしまいました。

兎に角、主人公の女性の好感度が高い。
お局様として、女子社員から疎まれているのに、その仕事に対する姿勢や自分がマイナスになっても秘めると決めたなら揺るがない。その強さは大人世代の読者の憧れになったのではないでしょうか。
反面、危うい弱さも持ち合わせていて、その強さと弱さのバランスが見ていてとても切ない。
ヒーローの上村はとにかくカッコいい！本心が見えるようで見えず、本当にふりまわされました。
一筋縄ではいかない、ドキドキ切ない大人恋愛。素晴らしかったです。