小西 尚さんのレビュー一覧

降り積もる雪。。。 白く白く、それは閉ざされてゆく。 ホラー。 人の心理に追い詰めていく作品。 この恐怖に勝るものはありません。 登場人物をひとりひとり疑いながら読んでいくと、気付けば一気にこの作品に飲み込まれていました。 前半の勢いに力強さがある、これからも追いかけてみたい作者さまだと感じます。 あなたも、その白い監獄の扉を開けてみませんか。 ぜひ。。。

胸がむずむずと疼く はっきり言って、この手の話は苦手です なのに、 なのに。。。 最後まで読んでしまう ページをめくる手が止まらない まじまじと書かれたその描写に、切れてもないあなたの指が疼く事は確かです さぁ、 あなたも手にとって

優しさに触れた瞬間。。。 淡雪がこの掌のなかで溶けゆく様に、消えてしまった。 自身の身を守る為の武器を捨て、その彼女の柔らかな躰に触れた時。 人は得難い安らぎを、手にする事ができるのかもしれない。 それは、自らが相手に寄り添えた強さだったんだと。 この作品を読んだ後に残った、優しくて温かな気持ちです。 ヤマアラシの刺。 白ウサギの柔らかな産毛。 背中合わせのその存在には、ぬくもりがありました。。。

思わず、 この口から、そんな言葉が溢れそうになる。 君に伝えたい言葉は、そんなモノでは無いのに。。。 なぜか、俺側にふと陥る感覚。 俺目線から見た、彼女は。。。 そんな気分にドップリとハマらせてくれる、作品です! コラボ、 櫻 仁さんの『さわっていい?』も是非併せて読んでみてください!!

幼い頃に読んだ怪談話ーーー そこには、『色』が凪がれていました。 その『色』は、幼心を擽る淡く切なる色。 不思議と、引き込まれていったものです。 こんな淡い記憶が、ふと蘇る作品。 目に浮かぶ景色はセピアにぼやけ、 ただただ、魅せたい色だけはっきりと蘇る。 蛍の光。 雪の白。 紫陽花の…… しっかりとまとめあげられた作品からはホラーという枠を超え、語り部が伝えたい叙情溢れる世界観を、くっきりと読み手に刻むことは確か。 切なる女心。 それに応える、不思議な力ーーー 現代版『怪談』。 そう呼べるにふさわしい、この作品。 『6月の蛍』 胸が震えました!

保証は、たった一度だけ。 その保証に込められた人達の様々な想い。 緻密に絡み合い、6つの短編を彩ってゆく。 色鮮やかに仕上げられた作品は、どこから読んでも楽しめる仕組みに。 テーマを『生』において動いていく登場人物達は皆個々に死と生の狭間で揺れ動き、『生きる』という無くてはならない欲求が上手く描写され仕上がっていました。 ストーリーテラー北川 あみさんの不思議なその世界。 是非、 味わってください。

『告白』という、たった2文字に込められた思い。 それは深く、 ただただ、大切な相手を思いやる人の気持ちでした。 嘘をついたのは、たった1つだけーーー 『白い嘘』はどこまでも白く、 『告白』になくてはならないキーワード。 美緒を思う人達の優しさが作品から満ち溢れて、最後まで読み手の心を揺さぶりやみません。 あなたの気持ちと美緒の気持ちがsynchronizeした瞬間、 物語は一気に加速していくはず。 深く、 深くーーー 是非、読んでみてください。 あなたの『心の本棚』に入ること、間違いなしです!

夏休み 真っ只中の今 作者の手によって描き出されたその風景は 果てなく読み手の脳裏に はっきりと浮かんだことだろう 暗くなるまで走り回った夏休み すべてが懐かしく そして 『尊い』時間ーーー 今も昔も変わらない その輝き 小さな胸々に輝く勲章が光り続けているのを いつまでも見守ってゆきたい

今や『ペット』と言うにはおこがましくなった存在 密に私達と関わり合い、癒やしをくれる 嬉しい時。。。 悲しい時。。。 いつの時でも傍に寄り添い、笑顔をくれる 『マリンブルー』を読んで、わんこと暮らしていた小さい頃を思い出しました 走り回る白い影 優しい気持ちを思い出させてくれた、心温まるそんな作品です