アパレル業界に憧れて高校卒業後、北海道から上京した亜子。 紆余曲折しながら店長にまで上り詰める。 しかし、仕事の厳しさ、理不尽さ、理想とのギャップに悩み、苦しみ、離脱を余儀なくされる。 生まれ育った北海道の地に戻り穏やかに暮らす日々。 そこに現れた一人の男に手を差し伸べてから亜子の心は乱される。 一方、東京で何の不自由もなく育ち親の敷いたレールの上を順調に歩んできた直。 しかしある事件が発端となり逃げるように北海道に降り立つ。 そんな二人が北海道で出会い、たった一ヶ月だが平穏な日々を送っていたが、そんな日は長く続くこともなく。 直は東京に帰り離ればなれになった二人、直は一時の安らぎを求めただけだったのだろうか。 二人の共通の持ち物である北海道の写真集が不思議な偶然を産み二人を手繰り寄せる。

思いもよらない早すぎた結婚、ありふれた日常、不満を抱えながらも一歩踏み出せない二十八歳の華（ハナ）。 長い間、専業主婦だったが、充実感が欲しくて派遣社員として働きに出ることにした。 その会社の取引先の従業員で同い年の剛（ツヨシ）と知り合う。 気持ちは揺らぐが、既婚者の華は、勇気も覚悟もなく、それ以上何も出来ない。 しかし、夫には重大な秘密があって……。 結婚五年になって初めて明かされる夫の真実、そして、剛との再会。 しかし、その剛にも秘密があって……。

両親が作った借金。 その「借金のカタ」として差し出された18歳の千那（ちな） それを受け取ったのは、30歳の航平（こうへい） 「お前は、借金のカタに取られたんだ。だからこれから先は俺の言うとおりにしてもらう」 その言葉通り、生活は支配され、炊事、洗濯、習い事、そして、身体！？まで……。 恵まれない環境に育った高校生の千那と、裕福な家庭に育ち、会社の社長である航平。 あまりに違う立場の二人が、一緒に生活していく。 どうして千那を「借金のカタ」に取ったのか？ どうして千那を支配し、監視するのか？ ただ、理想の女性にするためなのか？ 二人の想いがそれぞれ交錯し、結ばれたと思っていたが、それは一方的なもので……。