長い道のりだった。 自分の人生はこんなにも長いものだったのかって。 痛感するくらいの長い道のりだった。 1人では歩けなかった。だけど君がいた。 あの時、君はあそこで私が歩いてくるのをずっと待っててくれたんだね。 手を引いてあの暗闇の道のりから私を光の届く場所まで連れ出してくれて、 こんなどうしようもない私を 君は愛してくれて。

幽霊として私の前に現れた近所のお兄ちゃん。 「俺の成仏手伝ってくれや。」 「お前には誰よりも幸せになってほしい。」 「大変だったんだからなぁ。お前にバレずにお前を助けるのは。」 いつも嘘ばかり言って自分勝手で不器用な貴方がついた優しい最後の嘘。 『お前に出会えてよかった。俺がいなくても生きていける人間になれ。』