カメラマンの拓郎が見つけた、儚げな妖精のような少女、藍。
藍の身元は不明だが、何となく一緒に暮らし始めた彼らはゆっくりと惹かれあっていく。それはまるで、夢の中のように優しい時間。
その時間は突然に終わりを告げる。
拓郎の前から忽然と消えてしまった藍。
その真意には、驚くべき真実が隠されていた…。
最後まで丁寧な描写としっかりとした構成で綴られる、本格的なストーリーは圧巻です。
分類としてはSFですが、作者さんの人柄を感じさせるような優しいお話です。
登場人物に絶対的な悪人がいない、というところがそれを感じさせるのだと思います。
読み終えた後に残る温かさ、是非、感じてください。