小説家になろう×ベリーズ文庫＆マカロン文庫　第2回ラブファンタジー大賞

この度は『小説家になろう×ベリーズ文庫&マカロン文庫 第2回ラブファンタジー大賞』にご応募いただき、ありがとうございました。作品を読んでくださった読者の皆様にも、感謝申し上げます。 “ドキドキする恋、あります。”というレーベルコンセプトをベースにした「ヒストリカルロマンス」と恋だけじゃものたりない“ワクドキ”「異世界ラブファンタジー」の2部門に分けて作品を募集し、審査は書籍コンテンツ事業部の計7名で行いました。

大賞に輝いたのは佐藤三さん『男装薬師は王太子に溺愛される』。
逆境に負けずに、自らの信念をもって新たな道を切り開いていく姿は、異世界ラブファンタジーに求めるヒロイン像そのもの。前世で報われなかったことから逃げずに、転生先で周囲の人を巻き込みながら前向きに改革していく姿に、審査員一同共感し、引き込まれました。物語を盛り上げる登場人物のキャラ立ち、冒頭からクライマックスへの盛り上げも巧みで、構成力も抜群でした。人気設定の薬師に加え、男装という要素を取り入れたのも斬新で、作家のオリジナリティを遺憾なく発揮してくれたと思います。

ヒストリカルロマンス部門賞は雪夏ミエルさん『王宮に咲く一輪のたんぽぽ』。
決して完璧ではないヒロインですが、腐ることなくタイトルにある「たんぽぽ」のように、どんな場所でも笑顔を咲かせ、前向きに行動する姿に愛着をもって読み進めることができました。正体を隠しながらも、自らの思いを抑えられないヒーローの愛情の深さも審査員の心をつかみ、ヒストリカルロマンス部門に求められる男性のかっこよさが光る作品で、満場一致の受賞となりました。

異世界ラブファンタジー部門賞は栗栖ひよ子さん『仕立て屋王子と魔法のクローゼット』。
王道を抑えつつ、設定やキャラ立ちが見事で、冒頭から引き込まれる作品でした。現世での知識を生かし、仕立て屋に来るお客さんを笑顔にしていくという展開は、異世界ラブファンタジー部門ならでは。転移先で戸惑いながらも、試行錯誤し成長するヒロインに共感することができました。まるで映像を見ているかのようで、登場人物や街並みを想像させる描写力も見事でした。

今回受賞した作品は、恋愛要素の強いヒストリカルロマンス部門と、恋愛要素だけでなくヒロインの活躍が求められる異世界ラブファンタジー部門の違いを意識できたものだと思います。
全体的にみると、ヒストリカルロマンス部門は、もう少し男性の強さと溺愛感を出した「ベリーズ文庫」らしい作品を意識できると良かったと思います。一方で、異世界ラブファンタジー部門は今までのベリーズ文庫にない、「小説家になろう」コラボだからこそ出会えた作品が多く、新鮮な気持ちで審査をすることができました。
ベリーズ文庫では昨年より「恋だけじゃものたりない ワクドキ！異世界ファンタジー」というレーベルコンセプトで新たに異世界ファンタジーレーベルが創刊となりました。今後は恋愛の「ドキドキ」だけではなく、ヒロインの特技を生かし、異世界で活躍することで得られる「ワクワク」にも重きをおいた作品が増えることを期待しています。
ベリーズカフェにおいても、恋愛ファンタジー小説大賞など多数のコンテストを開催しております。皆様のさらなる創作の場となるよう努めていきたいと思います。
それでは、今後ともベリーズ文庫&マカロン文庫をよろしくお願い申し上げます。