※受賞には至らなかったものの、支持を集めた作品を佳作として選出しました。

『週末シンデレラ』／春奈真実 著

設定や構成は決して奇想天外ではないながらも、読者の予想をいい意味で裏切る展開で、最後まで飽きることなく読ませる作品。審査員から全票を集め、満場一致の受賞となりました。都筑係長の会社での姿と恋に悩む姿のギャップが丁寧に書かれ、詩織の性格もきちんと構築されていたので、ストーリー展開に破綻がないことも高評価の理由です。ただ、本編のラスト、2人の甘いシーンについては、必要か否か意見が分かれるところでした。

『冷たい関係』/月森さや 著

登場人物のキャラが立っていて、ラストまでグイグイ読み進めさせる力強さがありました。しかし、後半のスピード感に反して、序盤の緑と優斗が別れるまでの心理描写が甘く、なぜ緑が優斗を好きになったのかが伝わってこず残念でした。感情の揺れ動きをもっと丁寧に入れると、よりよい作品になると思います。またタイトルがコメディ的な内容と合致していないので、もう少し読者の興味を引くワードを入れたほうがイメージに合いそうです。

『スーツを着た悪魔』/柏木七生 著

読者投票において他作品に圧倒的な票数の差をつけて、ダントツの1位となりました。この作品の投票には、著者への応援だけでなく、キャラクターにもアツイ愛情を持っている熱烈なファンからのメッセージが多く、それを読んでいるだけでも作品の魅力を強く感じます。投票数だけでなくPVも非常に高く、コンテスト期間中も増加しつづけ、ランキングの上位作であることからも、読者の支持を一番集めた作品であり、文句なしの受賞です。

『アウトサイダー』／佐倉伊織 著

DVという重いテーマを扱いながらも、しっかりした構成と心理描写で、どんどん読み進められ、思わず涙するシーンもありました。また、紗知と太陽がすれ違う恋愛のドキドキ感は、切なく共感できます。全体を通して「幸せ」というものを考えさせられる作品でした。しかし、今回はテーマである“読後のハッピー感”には沿わないと判断し、佳作とさせていただきました。今後も人の心をつかむ作品を書き続けてほしいと切に願います。

『ダイヤの恋人 〜王子様系オトナ男子の誘惑〜』／河野美姫 著

全体的に甘い雰囲気で、理人の王子様のようなセリフがとても魅力的。序盤の微笑ましい二人のじれじれした関係も中だるみすることなく表現できています。ただ、理人の過去が明かされるあたりから説明的になってしまい、作品自体に勢いがなくなったのが残念。また、周囲に優しくされるだけでなく瑠花自身の成長が感じられるようなエピソードや、今の時代感を意識したセリフ、小道具などが入ると、もっと感情移入できる作品になるでしょう。

今回、Berry's Cafeでは、初めて“恋愛”と冠した小説大賞を開催し、747作品のエントリーがありました。ご応募いただいた作家の皆様、投票にご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

審査期間中は日替わりでいろんな男性とお付き合いしているような錯覚に陥るほど（笑）、バラエティに富んだ恋愛小説に数多く触れることができ、たくさんの刺激をいただいた気がします。今回の審査は、編集部部員、販売部員の計8名で行いました。男女、既婚者未婚者とこちらもバラエティに富んだメンバーでしたが、審査員全員が一定の評価基準を共有して審査させていただきました。その中で大賞受賞作である春奈真美さんの『週末シンデレラ』は、この恋愛小説大賞で求めていた“恋のある毎日、笑って泣いて恋してる毎日”が詰まった作品そのものであったと思います。

恋愛は楽しいことばかりではありません。時には相手の言葉に涙し、つながらない携帯に落ち込むこともあります。それでも最後は笑顔になれる。そんな毎日をオリジナルの言葉でつづったものが恋愛小説なんだろう、と審査を通じて恋愛小説のさらなる可能性を感じることができました。

今回、数多くの作品を読む中で、作家の皆様が書きたい作品、読者の皆様が読みたい作品という2つの視点があると感じました。もちろん、その両方の視点を満たした作品が書店に並ぶわけですが、作家の皆様には、いい意味で“読者を裏切る”ということを意識してもらいたいと思います。王道の設定や展開は当然人気があります。でも、それを裏切る、あえて挑戦してみるということが、今後の恋愛小説の繁栄につながります。是非とも新しいことにチャレンジして、次回の恋愛小説大賞にご参加ください。

これからも“ドキドキする恋”を産み出す素敵な作業に、皆様がご参加くださることを心よりお待ち申し上げます。

この度、スターツ出版では『恋愛小説大賞』を開催することといたしました。
この『恋愛小説大賞』では、“恋のある毎日、笑って泣いて恋してる毎日”がつまった作品を求めています。オフィスで、偶然の出会いで、はたまた習い事でと、シチュエーションは問いません。ハッピーエンド限定でもありません。ただ、読後に「あ、なんか幸せな気持ちになったな」と思える作品に出会えることを楽しみにしています。
作家としてデビューを目指す方はもちろん、新たに好きな作家を発掘する読者としても、この『恋愛小説大賞』に皆様がご参加くださることを心よりお待ちしています！

2月27日（水）

エントリースタート

3月下旬

読者投票スタート

5月9日（木）

エントリー〆切

5月15日（水）

読者投票〆切&編集部にて審査開始

6月初旬頃

大賞発表

応募サイト「Berry's Cafe」で恋愛ジャンルに設定され、閲覧できる小説。エントリーは「Berry's Cafe」サイト上で受付けます。
※電子書籍も含め書籍化されていない、もしくは書籍化の予定がない、また映画、コミック、アニメ、ゲームなど商業用途で二次利用されていない、日本語で書かれたオリジナル作品に限ります。
※公序良俗に反するもの、官能小説、差別的表現のある小説、過度な暴力的表現のある小説は不可とします。
※他の文学賞との二重応募は失格とします。
※既に他のサイトで発表されたものも応募可としますが、著作権および著作隣接権が完全にフリーであることを条件とします。
※応募作品は作品エントリー受付期間である5月9日までに必ず完結させてください。完結していない作品は、審査対象外とみなします。

小説投稿ページ上で200ページ〜600ページに収めるか、もしくは12万文字以上24万字以内に収めてください。

不問（プロ、アマ、年齢等一切問いません）
※新人賞については、自費出版作品を除き、電子書籍も含め商業用途で出版していない方が対象となります。

「Berry's Cafe」に会員登録（いずれも登録無料）を行い、作家メニューのコンテストエントリーの案内に従ってご応募ください。
※利用規約および作品掲載ポリシーを守ってご応募ください。

受賞作品の出版権、雑誌掲載権、インターネット上への掲載権、映像化権等はスターツ出版に帰属します。受賞作品の、全部または一部をスターツ出版が発行、運営する紙面、インターネット、携帯電話向けサイトで掲載することがあります。

「スターツ出版 恋愛小説大賞」に関するお問い合わせはtoi@berrys-cafe.jpまでお願いします。
（※携帯メールからの問い合わせの際、迷惑メール対策をされている方は受信対象ドメインにtoi@berrys-cafe.jpを指定してください。）
また投稿やエントリー方法、投票については「Berry's Cafe」へ直接お問い合わせください。