千葉県の内房にある静かな海辺の町、竹岡。
海岸沿いの国道から路地を入った坂道の上に「りんどう珈琲」はあった。
この町で生まれ育った柊は、りんどう珈琲でアルバイトをする高校二年生。
喫茶店にやってくる人、去っていく人たちとの日々の中で、柊はそれまでに味わったことのない感情を経験する。十七歳の柊にとってそれは、生きるということを少しずつ知っていくことだった。実現できない夢もあること、届かない気持ちを抱えていくこと、すれ違うこと、誰かを傷つけてしまうこと。
それでも、世界は美しいということを教えてくれたのは、
いつもマスターだった。
オズマガジン編集長連載の
あの小説が書籍化!
- 一冊ごと、
美篶堂による
手製本
- カラーの違う
上下巻
素敵なケースに
納まります
著者コメント
ベリーズカフェで連載させていただいたこの物語が本になって、とても嬉しく思います。
宮沢賢治の書いた銀河鉄道の夜が僕の頭の中にずっと存在し続けるように、連載が終わってもずっとこの海辺の小さな町のカフェが僕の中にはあって、読んでくださる人の心の中にそんなふうに残れたら、それはすごく嬉しいと思います。