2015年9月　雨村さん

丁寧に表現している情景描写がとても印象的！それを武器に多彩なジャンルの作品を投稿している雨村さんにインタビュー。あの素敵なシーンはどのようにして生み出されているのでしょうか？

——野いちごをはじめたキッカケからBerry's Cafeができて、今現在の活動について教えてください。

実は野いちごができた時、新しい場所で挑戦してみたいなと思い投稿したのですが、あまりにも自分に自信がなさすぎて一度退会しました。その後、交流していた作家さんたちがみなさん野いちごで書いてらっしゃったので、「私もー！」って感じでまた始めました（笑）。Berry’s Cafeができた時、自サイトではオトナ系のお話もよく書いていたので、自然とこちらに移りました。特集に掲載いただけたことで、読者様が少しずつ増え、感想をいただけることに感動している毎日です。今はゆるゆるペースでお話を書きながら、自サイトに置いてある細々としたものを少しずつ整理して、こちらにも投稿していけたらと密かに思っています。

——雨村さんの作品は、情景描写が映画のワンシーンを切り取ったような表現をしていて印象的ですが、書く時に気をつけていることはありますか？

季節の草花や空の風景をじっくり描写するのが好きなので、そう言っていただけてとっても嬉しいです。 頭に情景を思い浮かべ、上手くいかない時は写真や実際の風景を見て書いています。例えば夕焼けのシーンを書くなら、雲が流れるスピードや重なった時の陰影、変わりゆく色合いを注意深く観察しています。主人公がどんな感情で空を見上げているかによって、純粋に美しい夕焼けであったとしても印象はだいぶ変わってくると思うので、ピンクに見えたとしても頬を染めるようなハッピーな色なのか、絵の具を溶かしたようなどこか切ない色調なのか、真っ暗な夜が深まる前に一瞬だけ見えた奇跡的な色だったのか、描写は多様でありますが、心情とリンクさせて表現する手段と考え、丁寧に描けるよう心掛けています。

——純愛やラブコメ、シリアス系など、様々なジャンルの作品を書かれていますが、統一している書き方はありますか？

シリアスでもラブコメでも、文中では堅い表現と砕けた口語をバランスよく使うようにしています。 例えばラブコメを書いていると、私はどうしても言い回しが軽くなってしまうので、引き締めるために途中であえて使い慣れない熟語をチョイスしたり…。逆にシリアスなお話を書いている時は、堅苦しく真面目な文体が続いてしまうので、いきなり主人公に心の中でタメ口の悪態を吐かせたりしています。もしかしたら、読みづらいかもしれないんですが…（汗）。

——ひとつの作品を完結させるまでの工程を教えてください。

最初は大まかな設定だけを決め、スマホでちまちま書き始めます。周りに人がいると気が散るので、旦那が仕事に行っていて、子供が幼稚園に行っている日中の家事の合間に、リビングのソファーの上で、だらしない体勢で書いています（笑）。毎回、中盤くらいまではふんわりとした状態で書き続けていて、途中で冷静になって完結までのプロットを立てます。でもそうなると、元々とても遅筆なので、組み立てたプロットをただ追っていくという作業に飽きてきちゃって…。次第にソファーでうたた寝する時間が長くなるか、もしくはまったく新しいものが書きたくなるという、グダグダなサイクルで細々と書いています。

——これからチャレンジしてみたい作品はありますか？

ファンタジーの作品を過去に何回か書いてみて、とても楽しかったので、またいつか書きたいなぁと思っています。朝起きたら猫になっていた！とか。あ、ぬいぐるみもいいかもしれません！なんでそんな風になっちゃったのかは、これからゆっくり考えます。

——趣味やハマっているものを教えてください。

私自身には趣味と呼べるものがあまりないので、今は息子が興味を抱いたものにとことん付き合うことが趣味みたいになっています。特にハマっているのは水族館。息子がゴマフアザラシが大好きなので、幼稚園に行っているスキにいろいろと資料や写真を集めたり、粘土で超下手な工作をしたり、これまた不細工な絵を描いてプレゼントしています（笑）。地元の水族館はもう常連になっているので、今度の休みには足を伸ばして、旅行がてら他県の水族館に行ってみたいなと旦那と計画しています。ちなみに息子の傘は可愛いアザラシ親子の模様です。

——今後の活動について教えてください。

これまでと変わらずに細々と書き続けて行けたら幸せだなぁと思っています。今は更新中の『君だけにかかる魔法』を完結させることが一番の目標です。もう既にソファーの上でよだれを垂らす時間の方が長くなりそうな気配がしているので、早く書き上げられるよう頑張ります！そしたら次はもうちょっとシリアスなものが書きたいです。

雨村

雨村です。私のようなほとんど無名の者が、このような機会をいただきまして恐縮な気持ちと緊張感でいっぱいです。この場をお借りして、お話を読んでくださった皆様に感謝の気持ちをお伝えできればと思います。本当にありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします。