月刊注目作家 2016年3月 紅カオル
2016年3月 紅カオルさん
第4回ベリーズ文庫大賞で新人賞を受賞した『立花課長は今日も不機嫌(原題:辛口な彼が不機嫌な理由)』が発売間近の紅カオルさんにインタビュー!受賞したときの気持ちや今後の活動についてお話を伺いました。
- ——第4回ベリーズ文庫大賞で新人賞を受賞したときはどんなお気持ちでしたか?
- 小説をネットで公開するようになってからの年数が長く、はじめた頃に仲良くなった作家さんたちのほとんどが書籍化やコミック化などで人気作家になっていく中、取り残されてしまったような思いがありました。そろそろ潮時かもしれないと思いながら書いた『薫子様、一大事でございます!』が、第3回ベリーズ文庫大賞で佳作をいただいたことで、最後にもう一度だけ頑張ってみようと奮起したのが『立花課長は今日も不機嫌(原題:辛口な彼が不機嫌な理由)』だったのです。受賞のお知らせをいただいたときは、信じられない気持ちと安堵感でいっぱいでした。
- ——『立花課長は今日も不機嫌』が生まれた経緯を教えてください。
- コンテストのテーマに合わせて書くというのが大前提でした。私だったら、どういう瞬間に恋に落ちるかとあれこれ考えた結果、自分の「美文字フェチ」という嗜好を使うことにしたのです。とにかく美しい手書きの文字が大好きで、職場でも付箋などでデスクに貼られた綺麗なメモ書きをこっそり収集していたりします。そんなことから、ヒーローの字を見る機会を考えると、同じ職場内の方が書きやすいと思いオフィスラブにしました。
- ——小説の執筆をはじめたのはいつ頃ですか?またそのキッカケは?
- もともと空想することが大好きで、普段からスイッチが入るとひとり妄想街道をまっしぐら。小説には程遠いものですが、執筆をはじめたのは中学生の頃だったと記憶しています。当時は少女マンガの「りぼん」や「なかよし」が人気で、あるとき原作募集という賞レースが開催され、それに応募するつもりで書いた学園ものが処女作です。結局は応募できずに終わりましたが。それからは頭の中だけで妄想を繰り広げるだけにとどめながら月日が過ぎ、あるとき某携帯小説が脚光を浴びていることを知り、携帯小説サイトにたどり着きました。それまで自己満足で書いていたものを他の人にも読んでもらえるなんてすごい!と夢中になって書いたことをよく覚えています。
- ——どの作品にも個性的なキャラクターが登場しますが、どのように作られているのでしょうか?
- 私の小説に出てくる登場人物はほとんどが想像で作り上げたものですが、中には実在する人物をモデルにしたものもあります。例えば『立花課長は今日も不機嫌』のヒーローである立花は、同じ職場の部長をモデルにしました。立花同様に普段から笑顔をなかなか見せず、鋭い眼光の持ち主で、何よりも重要ポイントである「美文字」の持ち主だったのです。他にも、同作品に出てくるスーパーハッカーの岩瀬は、あるお笑い芸人さんをモデルにしました。読んでみて、それが誰だか気づいてくださった方がいたらすごいです。妄想から生まれたキャラも実在する人物をモデルにしたキャラも、印象を強くするためにその性質を突出させてオーバーに書くこともあります。そういった具合で登場人物のおおまかなキャラクターを決め、ざっくりとしたプロットのようなものを書きます。それに沿って話を進めていくのですが、その通りに進まないことも多々あり、脱線して予定外の事件が小説内で起きてしまうこともあります。ここだけの話、『立花課長は今日も不機嫌』終盤の傷害事件がまさにそうでした。
- ——小説以外の創作活動やプライベートで興味のあることについて聞かせてください。
- 小説以外の創作活動ですが、LINEのスタンプを2種類ほど作って絶賛発売中です!が、売れ行きは絶不調です(笑)。ここ数年の趣味は、何といっても家族でする登山!現在5歳の息子が3歳のときからはじめたのですが、日本百名山を踏破することが目標です。まだ5つほどなので、先は長いです。生きているうちには難しいかも…?それから欠かせないのは読書です。ジャンルは問いませんが、ミステリーが大好きです。宮部みゆきさんの書かれた本は、大学生の頃からの愛読書です。
- ——まだ公開していない作品や新作情報があったら教えてください。
- プロットを作成して冒頭部分で止まり、パソコンの中で眠っている作品がいくつかあるので、まずはそれを書き上げたいです。全くの新作として考えているのは、自分の住む街を舞台にした、しっとりとしたラブストーリーです。といっても、海くらいしか特徴のない土地なので困ること必至なのですが…。
- ——これから挑戦したいことや今後の活動について聞かせてください。
- 今後も恋愛小説を基本にBerry's Cafeで執筆活動を続けていきます。大人女子のみなさんが妄想を膨らませられるような、ドキドキして甘く、時に切なくなれる作品を書いていきたいです。また、ちょっとクセのある人物を描くのが好きなので、随所に強烈なキャラを投入していこうと思います。一旦はこの世界から去ることも考えていたので、生まれ変わったつもりで頑張っていきます。
紅カオル
はじめまして。子育てと仕事の合間に執筆を楽しんでいる紅カオルです。このような場でご紹介いただき、光栄であるとともに感謝の気持ちでいっぱいです。日頃から私の作品を読んでくださっている皆様、ありがとうございます。これからも私らしい作品を書き、息の長い作家でありたいと思います。よろしくお願いいたします。
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- 『立花課長は今日も不機嫌』
- 「バカだな。いいから俺に甘えとけ」
- 会社に内緒で副業しているOLの杏奈。ある日それが人事部の立花課長にバレてしまう!エリートで容姿端麗な彼は、1ミリの隙もない"冷徹完璧上司"。お情け無用で即解雇かと思いきや、彼の付きっきりの監視のもと猶予をもらう。口では冷たく杏奈を叱りながらも、いつも必ず守ってくれる彼に惹かれていく。クールなはずの彼が「お前には冷静でいられなくなる」と、突然抱き寄せてきて…!?
ベリーズ文庫4月刊
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- 『それは危険なラブミッション』
- 雑貨店を経営する莉夏はある日、亡くなった両親が膨大な借金を残していたことを知る。その借金の相手は高級ホテルチェーンの御曹司・東城寺ルイだった。借金のカタとして、ある男に近づき心を奪うことを命ぜられた莉夏だったが、そのミッションを遂行中、傍若無人でつかみどころのないルイに惹かれていることに気づき——!?
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- 『パッシングレイン〜揺れる心に優しいキスを』
- 血の繋がらない兄・篤哉に密かな恋心を抱いていた二葉は、ある日婚約者の女性を紹介され失恋が確定。同じ頃、二葉の上司・相原も恋人と別れ、ふたりは慰め合うためだけに付き合うことに。兄への強い想いは相原と触れ合うことでいつの間にか消え、ふたりは本当の恋人同士に。しかしそんなふたりを引き裂く事件が起こり…。
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- 『裏腹な王子は、今日も私に求愛する』
- 歳の離れた弟を養うためだけに生きてきた実花子は、男勝りの28歳。ある日、強引にセッティングされたお見合いで、絵本から飛び出たような王子様・拓海と出会う。ある理由から結婚を急ぐ拓海と、振られるためだけに彼の好みとは真逆の女性になりきり付き合うことにした実花子は、彼のペースにすっかりはめられ…。現在連載中!
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