人は何故嘘をつくのだろう？ 　何のために嘘をつくのだろう？ 　理由は様々であるが、嘘をつく時必ず理由が筈。 　理由によっては非難され責められるが、情けのある理由は擁護される。 　だが嘘の先にもきっと計り知れない愛がある筈…。 　始まりは22年前に起こった不可解な誘拐事件からだった。 　世界を股に掛ける宗田ホールディングの社長、宗田幸喜（そうだ・こうき）と妻のディアナとの間に可愛い双子の女の子が産まれた。 　桜舞い散る暖かい春に産まれた女の子に、椿（つばき）と（さくら）と名付けられた。 　天使のような可愛い赤ちゃんは病院でも注目されるくらいで、見ているだけで癒される存在だった。 　そんな可愛い赤ちゃんが、産まれて3日後に誘拐されてしまった。 　捜査中に椿の方は無事に病院へ戻ってきたが、桜は行方不明のまま、数日後に顔が判らない状態で遺体で発見された。 　納得のいかないまま誘拐事件は、桜が死亡した事で乳児誘拐事件と乳児殺害事件として捜査が続いたが犯人への手がかりが一向にないまま時だけが過ぎて行った。 　事件から幾日が過ぎた頃。 　やっと犯人が逮捕されたが、その人物は想像もしていない意外な人物だった。 　犯人には刑が下され、乳児誘拐事件並びに乳児殺害事件は幕を閉じた。 　釈然としない結末に、父親の幸喜はずっと疑問ばかり抱いていた。 　妻のディアナは犯人が見つかりホッとしていると言っていた。 　 　世間を騒がせた事件は時が経過すると次第に人々の記憶からは消えて行き、興味が失われてゆく事だ。 　しかし当事者はそうではない…釈然としない結末…その結末が、本当に愛する人が犯人だと言う結末で終わってしまえば尚更忘れる事はできないだろう…。 　複雑な恋愛関係。 　そして嘘を重ねて守られた真実。 　 　22年の時を超えて世代を超え露になった真実に、どう立ち向かうのだろうか…。 　嘘に隠された本当の真実と愛。 　そこには計り知れない想いが溢れていた…。 　真実の愛は時を超えて手に入れられるのだろうか？

『中村はるちゃん誘拐事件』 2人の恋が狂わせたのは 親か 子供か 両方か…

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