ベリーズ文庫大賞 開催期間:2014年4月30日〜2014年8月末

<第2回テーマ> 働く男子
いろいろな“お仕事”をしている『働く男子』をテーマに
あなたが思い描く“ドキドキする恋”を小説にしてください。
医者、弁護士、大工、美容師、編集者などなど…世の中にはたくさんの“お仕事”があります。きっとそれぞれにその仕事ならではの恋愛の形があるのでは?ということで、第2回は、オフィスラブだけじゃない、様々な職業の男子との恋愛小説を読ませていただきたいと思っています。その職業ならではの設定、ハプニング、セリフなど、多種多様な『働く男子』との恋愛を描いたオリジナルストーリーをお待ちしています!

受賞作品発表

大賞

賞金10万円+ベリーズ文庫から書籍化
該当作なし

優秀賞

賞金5万円+ベリーズ文庫から書籍化
『恋の神様はどこにいる?』 日向野ジュン/著

優秀賞

賞金5万円+ベリーズ文庫から書籍化
『スイートハートリアライズ』 苑水真茅/著

優秀賞

賞金5万円+ベリーズ文庫から書籍化
『彼は、今日も私に嘘をつく』 春田モカ/著

新人賞

賞金3万円+ベリーズ文庫から書籍化
『ガラスの靴じゃないけれど』 円花 うる/著

受賞おめでとうございます!!

講評

作品講評

『恋の神様はどこにいる?』 日向野ジュン/著
神主と見習いの巫女というレアな職業設定ではありましたが、それを感じさせないテンポの良さがありました。また展開としては王道でありつつも読みやすく、最後までぐいぐいと引っ張っていった印象です。ただ、神主という職業ならではの場面、例えば神事にいつもとは違う真摯な表情で挑むヒーローの一面を見て気持ちが揺れ動くなどのように、より職業設定を活かした描写があると、さらに本賞の意図に合った作品になるのではないかと思います。
『スイートハートリアライズ』 苑水真茅/著
職業や人物設定、物語の過程で起こる波乱などが非常によく計算されており、骨組みをきちんと組み立ててから作品を執筆しているように見受けられます。また、ヒーローの職業ならではのシチュエーションもあり、ドキドキさせられました。しかし、ヒーローのキャラクターが若干弱く、ヒロインが惹かれる理由として、もう少し強引さがほしいなという気が。より魅力的なキャラクターを作れると、作品感がもっと広がるのではないかと思います。
『彼は、今日も私に嘘をつく』 春田モカ/著
読み進めるうちにどんどんピュアになっていく錯覚に陥る、純愛を体言したような作品。ヒーローの操る京都弁には賛否両論がありましたが、キャラクターを印象づけるという点では高評価でした。その反面、後半はシリアスな場面が多く、重さを感じさせてしまうことも。全体的にヒロインとヒーローの恋愛に重きを置き、過去のトラウマや答え合わせのような場面を減らすと、より恋愛そのものがクローズアップされ、感情移入しやすくなるでしょう。
『ガラスの靴じゃないけれど』 円花 うる/著
個性あふれるサブキャラが登場するため、登場人物すべてが終始イキイキと動き回っていたなと感じました。また、靴という体に触れるモノの作り手だけあって恋愛に絡めたシーンではドキドキさせられます。ただ、ヒロインが妙に達観していたり、ヒーローのかっこよさが伝わりづらいなど、キャラクター設定の甘さが気になる面も。展開が予想できてしまうシーンもあったので、全体の設計図を思い描いてから書き進めると、さらに共感を生めるでしょう。

全体講評

第2回の開催となりました『ベリーズ文庫大賞』、今回は197作品のエントリーをいただきました。ご応募いただいた作家の皆様、作品を読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。

前回に引き続き、本賞にはテーマを設けております。日頃からBerry's Cafeの作品を読む中で、「恋愛は会議室だけで起きてるんじゃない!」という、どこぞのドラマのセリフのような気持ちを抱いたことがきっかけで、“働く男子”というテーマを投げかけてみました。職業の数だけ恋愛の形や愛の伝え方があるのでは?そんな気持ちで作品をお待ちしていたのですが、審査の過程では次々と現れる斬新な職業のヒーローに振り回されっぱなしでした。いくつもの人生を同時に生きたような錯覚に陥り、とても楽しかったです。

審査は、書籍編集部、Berry's Cafe編集部、販売部の計9名で行いました。審査員全員が“ベリーズ文庫で読みたい作品か”、“ヒーローの職業ならではの恋愛であるか”という2つの評価基準を共有し、全作品を拝読した上で審査しております。しかし、前者の条件は多くの作品が満たしているものの、後者の条件を満たしている作品はあと一歩というものが多く、今回は残念ながら大賞は該当作なしとさせていただきました。

審査全体を通して感じたことといたしまして、今回のテーマがあるが故に職業の設定のひとつひとつを書きこみすぎた方が多かったように思います。そのため、どうしても説明的な部分が多くなり、本来、恋愛小説に必要なドキドキや波乱、恋愛そのもののシーンが少ない物語になっていったという印象を持っております。もちろん、“働く男子”がテーマですから、ヒーローの働くシーンは必須になってくるでしょう。そのシーンと恋愛をどう絡められるか?ヒーローの職業ならではの出来事は?このあたりが書ききれずにいた作品が多かった気がしています。

今回の第2回ベリーズ文庫大賞は、第1回同様に商業用途での出版経験を問わず、広く募集をさせていただきました。その審査の過程で、新人作家の皆様には別途、門戸を開く必要があるのではないかという思いが生まれ、次回のベリーズ文庫大賞は新人限定の募集とさせていただくことにいたしました。

つきましては、第3回ベリーズ文庫大賞は、募集を『自費出版を除き、電子書籍も含め商業用途で出版経験のない方』を対象に、『才能ある新人作家を発掘するための場』とさせていただきます。第3回も新たなテーマを掲げて開催する予定です。なお、第4回については、今回と同じく商業用途での出版経験を問わず、広く募集させていただく予定です。

第3回、第4回ともに、どんな“ドキドキする恋”が集まるのか楽しみにしていますので、皆様がご参加くださることを心よりお待ち申し上げます。