月刊注目作家 2013年4月 雨宮れん
2013年4月 雨宮れんさん
ファンタジー小説大賞・大賞受賞作『銀棺の一角獣』がいよいよ発売になる、雨宮れんさんに、創作活動のアレコレについてインタビュー!壮大な世界観で魅力溢れる物語を創り出す秘密とは…?
- ——この度は『銀棺の一角獣』の発売、おめでとうございます!今回の書籍化にあたって、生まれ変わった『銀棺の一角獣』の世界、書籍ならではのみどころについて教えてください。
- ありがとうございます!今回、ストーリーに大きな変更はないのですが、WEBではあえてやっていなかった細かい描写をたくさん追加しました。よりいっそう情景を想像しやすくなったんじゃないかな、と思います。WEBで公開していた時より、ティレルがアルティナに対して甘えるシーンが増えたかもしれませんね。ティレルはあいかわらずです。美人侍女にお風呂に入れてもらってご機嫌です。書籍ならではの見どころ…うーん、番外編を追加しました。戦争が終わってから結婚式までの三年の間にあった出来事です。
- ——表紙&マンガをご覧になった時について、お気持ちを聞かせてください。
- とにかく大興奮でした!最初に担当の方と打ち合わせをした時に、「一角獣をかっこよく」という点に一番こだわってお話させていただいたんですね。表紙のラフを確認させていただいた段階で「うわー!」となって、完成した時には画面の前でのたうち回りました。裏表紙の方まで続いていて、森の緑がとても鮮やかなんですよ。帯に隠れる部分も美しいです。自作がマンガになるという経験は初めてだったので、そちらも大興奮でした。ネームをいただいてから、完成原稿を見るまですごくわくわくしていました。冊子をいただけるそうなので、楽しみにしています。
- ——創作活動はどれくらいのペースで、どれくらいの時間をかけてされてきたのでしょうか。
- 物心ついた頃から何かしら書いていました。高校を卒業した後、しばらく何も書かない、技術書以外読まないという時期があったのですが、ある日突然再び書き始めて現在に至ります。今は仕事もあるので一定のペースでは書くのがちょっと難しくなってしまいました。
- ——雨宮さんならではの独特な世界観は、どのように組み立てているのでしょうか?また得意なジャンルなどについて教えてください。
- 世界観を意図的に組み立てるということはしていないんです。ストーリーができるまでのパターンには二つあって、タイトルと同時に起承転結が思い浮かぶ時と、物語の中で重要なイメージがいくつかぽんと浮かんでその間を埋めていく時があります。どちらも浮かんだ段階で、ある程度背景まで出来上がっているので構築しているっていう意識はないんです。だから資料が必要な時は、物語ができてから資料を集めることになりますね。その時に書きたいものを書いているので、得意なジャンルというのは特にないんです。今は恋愛要素を中心的な部分に置いたファンタジーを書くことが多いですが、そろそろ方向転換するかもしれないとなんとなく思っています。あとはできるだけ読後感がいいものを書きたいな、とは思っています。かならずしも成功するとは限らないんですけど。
- ——読者としての作品の好みを聞かせていただけますか?
- オンラインで読む時は、ファンタジーより恋愛物が多いですね。オフィスラブに限定するというわけではなくて、ヒロインが社会人のものが好きです。ランキングから探しにいくことはほとんどなくて、レビューを見て探すことが多いでしょうか。あと、今は大賞期間中なので投票コメントを読んで興味をひかれた作品を読みに行くという楽しみもありますね。今、毎日更新を楽しみにしている作品が二本あります。
- ——これからどんな風に活動をしていきたいと思いますか?
- 去年までは病気療養していたので、仕事をセーブしていました。だからたくさん時間が取れたのですが、今は本格的に仕事に復帰しているので書いている時間が取れそうもありません。その中で無理しないようにぼちぼち読んだり書いたりしていければなあと思っています。
雨宮れん
こんにちは、雨宮れんです。ファンタジー大賞では応援ありがとうございました。今年から本格的に仕事に復帰して、ばたばたしている毎日ですが、趣味にあてることのできる隙間時間を作ることができればなと思っています。『銀棺の一角獣』どうぞよろしくお願いします。
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- 『銀の棺の一角獣 〜金の騎士に抱かれて〜』
- ファンタジー小説大賞受賞・試し読み公開中!
- 国を守らなくてはいけない銀の女王×愛する人を守りたい金の騎士…。書籍版には特別書き下ろし収録&発売記念スペシャルコミックも掲載中!
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- 『太陽王と灰色の王妃』
- 華やかな姉の影で引き立て役のような存在だった北国の王女リティシア。けれど隣国の王が姉ではなく平凡なリティシアを選んだことから、リティシアの運命は変わり始める。愛されないと知っていても、彼にふさわしくありたかったから、できるかぎりの努力はしたけれど——。初書籍化作品。
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- 『レディ・ウォーカーと海竜の島』
- 罪人の娘として世間から後ろ指を指されながら生きてきた遺跡探索人セラのもとを訪れたのは、海竜の子孫と言われる豪商の息子エレミオ。海竜の島へ同行してほしいという彼の依頼を受け入れたセラは、海の支配権を争う二国間の戦争に巻き込まれていくことになる。海の支配者海竜とその血を引く者たちの物語。
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- 『空をなくしたその先に』
- (野いちご・ベリーズカフェ掲載作品)
- 機密書類を隠し持ち、王子という身分も偽って帰国しようとしていたディオは、空賊に襲われた船の上でパイロットの少女ダナに出会う。国に戻るという彼に同行してくれること になったダナ。敵の目を逃れ旅を続けた先に二人が見つけた未来とは。空を舞台にした冒 険ファンタジー。
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