- 夫に裏切られ、シングルマザーとなった美空は“男なんかに頼らない”と心に決め、仕事と子育てを両立する日々。梅雨のある日、雨女である美空のお守り代わりの傘を、近くに勤めるサラリーマンの大月桂一が壊してしまう。お詫びにと美空を誘う大月。心を閉ざした美空は不審に思うが、大月の紳士な態度や彼の不運な境遇に心がざわつきはじめて…
- 子育てや家事、仕事を両立する女性が抱える悩みがリアルに描写されていますが、梅雨の不安定な空模様とリンクするよう情緒的に書かれていて、序盤から物語に引きこまれました。ふと心が折れそうになる朝、弱音を吐きたくなる夜、大月さんのような男性に出逢いたいと思いました…!
- 悲しいキスは雨が流してくれるから
- 『三度目のキスをしたらサヨナラ』 菜つは/著
- 深夜のラーメン屋で、失恋直後の海に出会ったミナ。失恋という共通の傷を癒そうとふたりが始めたキスのゲーム。悲しくて相手にキスを求めたら黒星、三度目のキスをしたらサヨナラ。お互い元恋人の名前で呼びあい、5日間限定の遊びのつもりで始めたゲームだったけれど、ミナは気づけば海の優しさに惹かれていって…。
- ミナが三度目のキスをした後に果たしてふたりは離れ離れになってしまうのか?ゲームから始まる恋もある?雨の切ない描写が、読後の爽快感をより引き立てます。ユニークな展開で繰り広げられる仕掛けにも楽しめる作品でしょう。
- 雨が降ると、優しい彼の事を思い出す。
- 『年下彼氏とシングルマザー』 金城 零/著
- ある雨の昼下がり。離婚したばかりのまひるは2歳の娘の育児に追われていた。雨の中自転車で滑ったまひるは高校生の陽一と接触する。もう二度と会うことはないと思っていたが、パート先のファミレスに彼が新人で入ることに。180cmの長身に印象的な目元。「案外ウブなんだね」と無邪気に挑発する彼に不覚にも惑わされて…。
- 育児に追われる主婦の日常から逃れ、甘い夢を見させてくれる年下の彼。高校生ゆえの無鉄砲な求愛ぶりや、荒けずりなチャラさにキュンキュンさせられます。一見、チャラそうな彼の真っ直ぐな本当の気持ちを知れば、「もう一度こんな恋がした〜い!」と思わず叫んでしまうでしょう。
- 「この雨は、いつやむのかな」
- 『世界を濡らす、やまない雨』 月ヶ瀬 アン/著
- OLの杏香は、過去の出来事が原因で、幼い頃から人に嫌われることに対して恐怖を感じている。そのせいで、身勝手な彼氏にも陰口をしている同僚にも、嫌われないように自分自身を否定しながら生きてきた。そんな杏香の心には“やまない雨”がずっと降り続けている。その心の雨に傘を差し出してくれる1人の男性が現れて…
- 生きていれば誰にでも思い出したくない過去やトラウマってあると思うんです。そこから抜け出せずに、杏香の心にはずっと雨が降り続けていて、読んでいて胸が苦しくなりました。ただ、それだけの作品ではありませんのでご安心を…!雨にまつわる描写がとても表現豊かに書かれているので、ぜひ読んでいただきたい作品です。